次代魔王がこんな美少女でもいいよね!

プル・メープル

第1話 新・魔王誕生!

これは魔界の魔王様(26)が原因不明の病気で死にかけているワンシーンである。


「魔王様!お身体の調子はいかがですか?」


「厳しいようだ、俺はもうダメかもしれんな……。」


「そんな事ありません!みんな魔王様が元気になることを望んでいます!」


「そうか……嬉しいなぁ。」


「だって給料高めで仕事も楽だし、何より政治が動かないからいちいちあたふたすることも無いし……。」


「お、おう、そっちか……、」


「では、魔王様は安静にしていてくださいね!勝手に起きては行けませんよ!」


「わ、わかってるよ……。」


ガチャン


ドアが閉まり魔王はまた一人になる。


(はぁ、跡取りどうすればいいんだ……。子供に男がいないんじゃどうしようも……。)


魔王は一人、頭を抱えて悩み続ける。もう、王族を交代するしかないかと思ったその時!


バンっ!


「お兄様!お兄様!」


大きな音を立てていきなり扉が開いた。


「び、びっくりしたなぁ!し、心臓止まるかと思ったわい……。」


飛び込んできたのは魔王家の次女で魔王の妹であるサリナだ。


「お兄様!今お兄様が考えていること、分かりますよ!跡取りでしょ!」


「さ、サリナか……。あぁ、そうだ。結構悩んでいてな、いっそもう……、」


「じゃあ、私が次代魔王になってあげる!」


サリナは胸を張って堂々と宣言した。


「え!サリナが?」


「私が?ってどういうこと?💢」


「す、すまん、だが何故いきなり?」


サリナは急に真剣な顔になって……


「お兄様が困っていらっしゃるようでしたので……。」


そうか、サリナは俺が死ぬ前に悩みを解決してくれようと……。なんて優しい子なんだ。


「っと見せかけて儲けれそうだから!」


前言撤回!優しくなんてなかった。


「じゃが、魔王はそんな簡単な仕事ではないぞ?」


「大丈夫!」


「計算とかいっぱいするんじゃぞ?」


「大丈夫!」


「命もたまーに狙われるんじゃぞ?」


「大丈夫!」


どっからその自信が湧いてくるんじゃ……。その後も大丈夫の一点張りでサリナは引かなかった。魔王は押しに負けて仕方なく、仕方なーくサリナを次期魔王に登録した。


「サリナ、俺がいつ死んでもいいように準備は怠るでないぞ!」


サリナはニコッと笑って、


「いつでも準備出来てるから!いつ死んでもいいよ!」


それはそれで悲しい……。


「お兄様!いったい何を準備すればいいの?」


「そうじゃな……まずは、勉強ができないとダメじゃな……。」


「えー、勉強キラーイ!」


「嫌いでもやらなければ立派な魔王にはなれんぞ!」


「そんなこと言って……お兄様は勉強できるの?」


ぐっ!痛いところを突いてきやがったな。さすがは我が妹……。


「お、俺はバリバリじゃ!めっちゃ出来るわ!」


「じゃあ、問題出すから答えてね!」


「お、おう、わかった……。」


「じゃあ、第一問!」


「ちょっと待ってくれ!第一問って1問だけじゃないのか?」


「うん!3問だよ!」


「3問か……。よし、わかった!頼む!」


「うん!改めて第一問!たかし君はリンゴを724こ持っています……。」


「ちょっと待ってくれ!たかし君、リンゴ持ちすぎじゃないか?」


「うるさいな!じゃあ、これでいいでしょ!超上級魔法使いのたかし君は魔法でリンゴを724個持っています。そこにギルガメッシュ君がきて……」


「ちょっと待ってくれ!ギルガメッシュ君って名前にインパクトありすぎやしないか?」


「お兄様……。人様の名前を否定するのはよくないと思うわ……。」


「わ、分かったわい、続けてくれ。」


「ギルガメッシュ君がきて、725個のリンゴを右手で絞りました。その内、一つからは赤いジュースが出ました……。」


(いや、あえて突っ込まないぞ!突っ込まない、突っ込まない!多分、たかし君は死んだ!ギルガメッシュ君に殺られた!増えたりんご一個はたかし君の頭部であろう分かっているがあえてだ……。)


「さて、メロンは残り何個でしょうか!」


「知らねぇよ!」ゲホゴホ


「お兄様!大丈夫?」


「大丈夫だ、多分……。」


一問目からもう、問題ですらねぇよ!まさかのメロン参戦だよ!いや、りんごの数聞かれても分からんのだが……。


「に、2問目を頼む、今度は当てるから……。」


「分かりました!じゃあ、2問目!とある店で売っている怪しい薬品がいくつかあります。」

「怪しいなら触るなよ?」


「シー!その怪しい薬Aをまさと君が25袋買いました。」


「買っちゃダメだよ〜。」


「すると次のお客さんが来ました!彼は薬Hを75袋買いました。」


薬Hって響きがなんだかなぁ……。


「さて、彼は一体、誰でしょうか!」


「知らねぇよ!Part2!」


「正解は!たかし君でした!」


「たかし君、生きてたよ!グチャってされてなかったよ!」


「たかし君は死んだら何人でも新しいのが生まれるんだよ!このたかし君は78人目のたかし君だよ、さっきのは69人目ね!」


「いや、意味わからないよ!てか、その短時間でたかし君、9人も入れ替わってるよ!たかし君、死にすぎだろ!」


いや、まあ、それはいい……。だが、あと一問しかないのに全滅だ。


「3問を頼む!絶対当てるよ!ってか悪いのは俺じゃなくてお前の問題なんだが……。」


「つべこべ言わない!第3問目!とある勇者は魔王に720ダメージを毎ターン与えます魔王のHPは72000です!さて、何ターン後に魔王は死ぬでしょうか!」


「不吉な問題だな……。でも、これは簡単だ!答えは72000÷720で100ターンだ!」


「ブブー!ハズレ!」


「なぜだ!あっているはずだ!」


「答えは……。」

魔王は唾をごくりと飲み込む。


「正解は魔王は倒れないでした!」


サリナのやつ、俺のことを思って……。こんな病気で凹んでたらダメだよな!教えてくれてありがとう!サリナ!


「なぜなら魔王は毎ターン、たかし君を盾にするからでした!」


いや、前言撤回!むしろたかし君が可哀想だよ!


「お兄様、全然だめじゃん!」


「いや、問題が悪い!出題者に問題がある!」


「まあ、勉強はもういいわ!他にはなにかいる?」


「うーん、他には……、」


あれ?もしかしてこれって……、


「ないかも……。」


「「魔王って勉強できたらなれるって兄(魔王)に言われたんだけどぉ!マジうけるぅww」っと、送信!」


「ちょっとまて!ツウィーターに投稿すんなよ!」


「えへへ……いいじゃん!」


「まあ、いいや!サリナ、次が問題なんだ……。俺はもうすぐ死ぬ、だが、魔王になるには最低でも1年は人間界で過ごさなくてはならないのだ。」


「えっ!そんなの聞いてないよ!」


「でも、決まりだからしょうがないんだ、もう、書類も出してしまったから……。」


「人間界なんて言ったことないよ〜!」

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