寝子
家の塀の上に痩せこけた青黒の猫がいた。追い払おうとしたが、これが頑として動かぬ。仕方がないのでかつぶしなぞを差し出すが、尻尾を一振りするのみ。躍起になって大声を上げ、足を踏み鳴らし、だがしまいに猫は一眠り。疲れて引き返した途端、呑気な鳴き声と共に塀から飛び降りた。
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