【童話】ヘンゼルとg…元帥様
ちびまるフォイ
カクヨム労働党の検閲を経て掲載を許可されました
我らが同士偉大なる元帥様は我々人民に
至上の楽園をもたらしあらせられる大変に素晴らしいお方です。
けれど、偉大なる元帥様の祖国はけして裕福ではあらせられず
元帥様のとめどないカリスマ性を発揮し、
作物が通常の100倍の速度で成長しても食糧難は解決できないことに
地球のマントルよりも深く悲しんであらせられました。
そして、村では食料の配分が多くなるようにと森に子供のヘンゼルが置き去りにされました。
偉大なる元帥様はその慈悲深いお心で一人で寂しいだろうと
御自らヘンゼルとともに森の中へと置き去りにあらせられました。
偉大なる元帥様の高潔にして崇高な精神を知った村人たちは
自分の愚かしさを恥じ、元帥様の石碑を立てました。いや飯作れよ。
※ ※ ※
一方、森に取り残された我らが同志にして最高指導者の元帥様。
あとヘンゼル。
「偉大なる元帥様、これからどうしましょう」
「한국어는 잘 몰라요」
「ああ! 偉大なる元帥様! なんというアイデアでしょう!!」
偉大なる元帥様の提案あそばれた尊いアイデアに感動したヘンゼルは涙を流しその涙が川を作った。
崇高なるアイデアをもとに、ヘンゼルは道に光る小石を置いて道しるべにしました。
でも、光る小石なんてそうそう落ちているわけはなく、すぐに底をつきました。
ヘンゼルが偉大なる元帥様の荘厳なるアイデアを実行できないことに
悲痛なる失禁で2つ目の川を作ると、偉大なる元帥様はなんとご自分の髪をむしって道に落としました。
ちょうどいいちぢれ具合の髪の毛は道しるべとして最適でした。
「なんと慈悲深い元帥様! 御身をも顧みない素晴らしき精神は銀河の果てまで賛辞され続けるでしょう!」
けれど、偉大なる元帥様がまいていった道しるべはそのあまりに尊大なる存在のせいか
影響は人間だけに留まらず鳥がついばんでしまった。
「ああ! 偉大なる元帥様! 道しるべが失われてしまいました!」
「안녕히 주무세요」
「ありがたきおことば!!!」
ヘンゼルはどんな場合にも動じない偉大なる元帥様の髪型を見て、
この世界が未来永劫平和に暮らせることを確信した。
森をお迷いあらせられた偉大なる元帥様は、なんとお菓子の家を見つけあらせられました。
「안녕하세요」
高潔なる元帥様はけしてお手をつかなさらなかったが
お腹の減っていたヘンゼルは犬のようにお菓子の家にかぶりついてしまった。
間もなく、魔女がやってきてヘンゼルを捕まえてしまった。
「おや? こんなところに子供と……偉大なる元帥様が御足をお運びにあらせられるとは。
私は子供を食べるのが大好きなんでねぇ。ちょっとこっちへ来なさい」
家の中に入ると魔女は偉大なる元帥様に崇高なる料理を作ってもらい、
それをヘンゼルに食べさせるよう命じた。
「逆らったら、その時点でこのヘンゼルは食べてしまうからね」
「医大なる元帥様。どうか私のことは見放して、せめてご自分だけでも!」
「또 만나요/또 봐요」
偉大して慈悲深い元帥様はありがたきお料理を作りなさり、
現代のフルコース料理の9割はこの時に開発されたものであらせられる。
「さてさて、どれだけ肥えたかな? ヘンゼル、指を見せてみなさい」
「はい」
魔女は偉大なる元帥様の料理を食べさせて太らせたうえで、
ヘンゼルを食べようとしていた。
その太り具合を確かめるために指を触って肉付きを確認した。
「……おかしいね、あれだけ食べさせているのに、まるで太っていない」
「それは、偉大なる元帥様のお振る舞いあそばれるお料理が
オーガニックでヘルシーで旬の食材をふんだんに使ったお料理であらせられるからです!」
「うん全然わからない」
目の悪かった魔女はまだ食べる日をさきのばすことを決めた。
実はヘンゼルが差し出したものは指ではなく、
偉大なる元帥様から賜ったありがたきキムチだったので何度確認しても太ることはなかった
この素晴らしき機転も元帥様のものである。
この逸話は岩に刻まれ人工衛星にのせて宇宙の果てまで伝承された。
「いっこうに太らない……おかしい。それになんか変なにおいする。
ええい! もう我慢できない! 食ってやる!」
しかし、魔女だけあって偉大なる元帥様の高潔なるアイデアで出し抜いても
もう我慢が出来なくなってヘンゼルを食べることにした。
ヘンゼルを食べるための下ごしらえを偉大なる元帥様に
身分不相応に愚かしくも命令した魔女。
元帥様は静かにしたがってオーブンを加熱して準備した。
「ああ、元帥様。最初からこれでよかったのです。
私が最初から食べられてしまえば、元帥様はここから解放されるのです」
「ヒヒヒ。こんがり焼けた子供というのはカリカリでうまいからねぇ」
魔女はオーブンから漏れてくる匂いにお腹を減らす。
「さぁ、偉大なる元帥様。ヘンゼルをオーブンに入れるんだ。
両面こんがりと焼くんだよ。こんがりとね」
「さようなら元帥様。あなたとともにいられたことが
矮小な私の人生の中で最も高潔にして崇高なるお時間でした」
偉大なる元帥様はオーブンの扉を開けると、温度を確認して言いました。
「안녕하세요」
瞬時にヘンゼルは偉大なる元帥様のなんと素晴らしき機転に驚きました。
「なんだって? ちゃんと焼き上げるためにオーブンの温度を確認してほしい?」
魔女は静かに扉の開いたオーブンへと近づきました。
「조심히 가세요」
「もっと奥まで確認してほしい? しょうがないねぇ」
魔女はその体をどんどんオーブンの中へと進めていきます。
偉大なる元帥様が握るオーブンの取っ手にもお力が入りあそばれます。
「確認したよ。ちょうどいい温度じゃないか。
さぁヘンゼルをオーブンに入れるんだ」
完全に魔女の体がオーブンの中へ入ったことを
確認あそばれた偉大なる元帥様は作戦を実行しました。
偉大なる元帥様が放ったミサイルで魔女もろともお菓子の家は焼土と化しました。
めでたしめでたし。
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