3. 等間隔

 秋の足音が聞こえてくるこの時期。代わりに聞こえなくなったものがある。

 蝉の声だ。

 ついこの間までは耳元で騒いでるのかってくらいうるさかった蝉たちの声がピタリとやんだ。

 今となっては彼らは道の上でひっくり返っている。


 毎年不思議に思うのだが、何故彼らは等間隔でひっくり返っているのだろうか。

 少し進んだら蝉。少し進んだら蝉。

 ボルトが10秒未満で走る距離にだいたい5匹くらいひっくり返っている。

 見るといつも、「鴨川か」と1人で突っ込んでしまう。この癖は結婚するまでには治したい。

 結婚という言葉でひらめいたのだけど、もしかしたらあのひっくり返っている蝉たちは独身なのかもしれない。人間界では鴨川に等間隔に座るのはカップルだが、セミ界では恋人(恋蝉が正しいんでしょうか)が欲しかった蝉たちが道端に等間隔にひっくり返るのかも。我ながらいい発想。

 蝉には蝉の生活があるし、いくら私が勝手な想像をしていようと彼らには関係ないのですけど。

 でも想像してみることは大事。不正解でもいいから疑問に対して答えを探してみる。見つけた答えを当てはめてみる。

 自分が納得できればそれが答え。

 その答えを伝えることが考えを述べるということ。そこから話が発展して真理に辿り着くのだと私は信じています。


 蝉が等間隔に死んでるだけでここまで壮大に話してしまったけれど、良かったら身の回りの不思議に興味を持ってみるのもいいんじゃないでしようか。

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