第2話

 さて、これから自分が出来ることを調べたいのだが・・・。

えーっと、ステータスオープン。


―――

レベル1

取得種族レベル

アメーバレベル1

この世界で初めて生まれた肉持つ意識体。

体積およそ1㎣程の微細な生命体である為、その身体能力はとても貧弱であるが、その可能性は無限大といえるだろう。


称号

原初生命体

アメーバとして生まれた存在に送られる称号。

あらゆる可能性を内包し、成長し続けていく存在。レベル上限無し。

細胞分裂によって自らと同等の存在を作り出す。この時レベルを使用する。


創造者のお気に入り

創造者の作り出したシステムレベルとスキルシステムとステータスシステムの恩恵を受けられる。この各種システムは細胞分裂によって生まれたモノにも適用される。


ステータス

生命力1

魔力 1

―――


 ふむ、ほんと趣味丸出しだなーおい。

さてこれを読むに、私は無限の可能性を秘めており、レベル上限がないが現状とても貧弱と。

 確かに現状どうしようもないほど何もできないが、生き残る事さえ出来れば将来はかなり安泰かな?っと、最初はハードだけど、成長していけばいくほどチート染みた力になっていくんだろうなー。

 で、だ、現状できることはこの身で出来ることのみ。つまり生きることと、その状態を維持するぐらいか。後は何かしらのスキルの発現を促すために、色々と試しをしていく必要があるだろう。あー、忘れちゃいけないのがレベル上げだな。

 そうなると、まずは・・・栄養摂取だ。これに関しては問題ない。膜表面から取り放題だからな!


 こうして彼は自身の生存を大目標とし、与えられた力の研究開発に取り組んでいく。


 さて、栄養摂取に関しては、現状特に問題はない。というか、ぶっちゃけ暇だ。

う~ん、すごい今更だが、私って何なんだ?いきなりあなたは生まれましたとか、知識を与えましたとか、力を与えますとか・・・、優遇されすぎだよね?

 一体何があの人の琴線に触れたんだか。そして、そんな状況にある中で今の自分の精神状態。比較する対象がいないから何とも言えないが、ちょいと冷静に過ぎる気がするんだよね。これも、創造者から何らかの調整を受けた結果なのかな?謎すぎる。


―――

レベルが1上がりました。

5LP獲得しました。

―――


 お?流石アメーバレベル上がるのはっや~い。

え~っと、このLPを使うことで色々と成長を促せるはず。現状スキルは何も解放されていないから、種族レベルを上げるか、ステータスを上げるかしか使い道がないわけだ。で、ステータスの上限値はレベル依存となってるみたいだな。じゃまずは種族レベル上昇にLPを使おう。


5LP消費してアメーバの種族レベルを2に上げました。


よし、でステータスオープンっと。


―――

レベル2

取得種族レベル

アメーバレベル2


称号

原初生命体・創造者のお気に入り


ステータス

生命力1

魔力 1

―――


 うん、種族レベルはほんと上限解放としての役割しかないのね。ステータス上がったりスキル解放されたりとかも無し。

 ま、ま~、レベル上げるための条件が未だにはっきりしていないが、こうして周辺の栄養素を吸収してるだけで上がってるのだから、結構簡単に上げていけそうではあるな。

 ふむ、ちょっくら細胞分裂でもしてみるかいの。


 レベルが上がった彼は細胞分裂を試みた。


―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

種族レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――


 なるほど、分裂するとレベルダウンだけでなく、種族レベルの方も下がるのか。ステータスが上限値いっぱいの時どうなるかも、早い段階で調べたいね。

 さて、この新しく誕生した君はどうしようかな?


 彼の前には物言わぬアメーバが水中を漂っていた。


 う~ん、なんか生きてる感じがしないんだよね~。なんでだろうか?レベルが足りないのか?それとも何か意識が発生するための条件があるのかな?次はもう少しレベルが上がった状態も試さないといけないか。

 で、これどうしようか・・・。食べるか?ん~・・・。ん~・・・。よし、だべよう。


 彼は目の前に漂うたった今分裂したばかりのそれを自身の膜に接触させ取り込んだ。


―――

レベルが4上がりました。

20LP獲得しました。

スキル捕食が解放されました。

称号自分殺しを獲得しました。

称号自分喰いを獲得しました。

称号同族殺しを獲得しました。

称号同族喰いを獲得しました。

―――


 おっ、おうのー、な、なんかやばい称号がならんでる~!

よーっし、まずは落ち着いて状況の確認だ。まず、食べることによってレベルを上げることが出来た。しかも、水中からの栄養摂取と比べると段違いの効率だ。

 それから、スキル捕食の解放が行われて、称号を4つも獲得できたな。よし!何がよしなのかはわからないがとりあえずそういうことにしておこう。そうしよう。

 ステータスオープン。


―――

レベル5

残りLP20


取得種族

アメーバレベル1


称号

原初生命体・創造者のお気に入り


自分殺し

分裂した自分を食べたものに送られる称号。

まさに常軌を逸した行動。

自分を殺した時の取得経験値上昇:大


自分喰い

分裂した自分を食べたものに送られる称号。

まさに狂っているとしか言えない所業である。

自分を食べたときの取得経験値上昇:大


同族殺し

自身がもつ種族と同じ種族を殺したものに送られる称号。

まさに外道の行い。

同族を殺した時の取得経験値:大


同族喰い

自身がもつ種族と同じ種族を食べたものに送られる称号。

まさに鬼畜の所業。

同族を食べた時の取得経験値:大

―――


 うん、これはひどい。いやー自分だけどさー。軽はずみな行動をした結果なんだろうけどさ。しかし、う~ん、これで効率よくレベル上げ出来るとか思ってしまう自分がいるのも確かだしな・・・。あ~、私ってこんな奴だったのか。

 ま、いいっか!

 それよりも、LPを使って自分の能力の底上げをしていこう。取り合えず今あるLPをそれぞれの項目に振りわけて3まで上げて行こうか。


―――

レベル5

残りLP3


取得種族

アメーバレベル3


取得称号

原初生命体・創造者のお気に入り・自分殺し・自分喰い・同族殺し・同族喰い


スキル

捕食レベル3

対象を捕食することに得られる、経験値やマナ等を効率よく取得することが出来るようになる。


ステータス

生命力3

魔力3

―――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る