第19話 転居先の下見に行った!
【9月20日(火)】岸辺さんに転勤の内示があった。岸辺さんは、業務部へ婚姻届受理証明書をもって、扶養家族の申請に行ってくれた。
業務室の係りの女性に内密にしておいてくれるように頼んだけど、守秘義務があるから心配しないでもいいですよと言われたとか。
それから転勤に伴う住居の手配もしてくれた。これで会社から契約している不動産会社へ依頼が行き、二人用の住居を探してもらえるそうだ。条件は2LDK、駅から歩いて5分程度、茨城研究所から通勤時間30分程度ということだった。
【9月23日(金)】業務室から転勤先の住宅候補が2件紹介されてきた。茨木駅前の物件と高槻駅前の物件。吉本さんが席を離れたので、岸辺さんは私に小声で相談する。
「関西の住まいが2件紹介されてきたので、二人で見に行かないか?」
「はい」
「26日(月)に茨木研究所で引継ぎの打合せをすることになっているので、25日(日)に行こうと思う」
「それでいいです。一緒に行きます」
「君は日帰り、僕は一泊する」
「分かりました」
【9月25日(日)】二人で物件を見に出かけた。茨木駅の駅前の不動産屋さんに着いたのが11時。すぐに歩いて5分くらいの賃貸マンションに案内してくれる。玄関はセキュリティーがしっかりしている。
部屋は5階だった。2LDKの間取り。築5年と言うだけあって最新の設備がついている。私はすぐに気に入ったので「ここでいいかなあ」と言った。でも、潤さんの勧めでもう1件見てからきめることにした。
次の物件は2駅離れた高槻にあった。ここは大阪と京都の中間地点で新快速も停車して便利は良いとのこと。駅前の不動産さんが案内してくれる。やはり歩いて5分くらい。近くにショッピングセンターがあるので買い物にも便利だ。
12階建ての7階の2LDK。セキュリティーも前の物件と同じで、部屋の造りや配置もほとんど同じ。ベランダからの見晴らしが良い。ただ、賃料が少し高い。
「どっちでもいいけどこっちかな?」
「茨木の物件は研究所に近くていいけど、近すぎる。ここは買い物にも便利だし、新快速も停まるから京都、大阪、神戸方面にも便利がいい」
「こっちにします?」
「通勤時間も30分以内だと思う。そうしようか、ここに決めた」
ここに決まったので、私はもう一度、室内を丁寧に見て回った。
「お風呂の広いのがいいし、ベランダからの眺めもいい。こんなマンションに大好きな人と住むのが夢だったんです。とっても嬉しいです」
「気に入ったところが見つかってよかった。でも、高槻の夏はかなり暑いと聞いているけど大丈夫かな?」
「大丈夫、暑いのは平気だから」
私は不動産屋さんから、部屋の図面を貰って、家具の配置案を書き込んだ。十分に見たからこれで大丈夫と思ったので、不動産屋さんに手続きをお願いして退出した。
高槻駅へ行くと丁度新快速が来たので乗車したら、次の停車駅は新大阪。すごく便利なところだと感心した。
潤さんは新大阪駅で新幹線に乗る私を見送ってくれた。潤さんは新大阪駅前のホテルに一泊して、明日の茨木研究所での引継ぎの打合せに出席する。
ブログにはこう書き込んだ。
〖新居の下見にいった。とても素敵なマンションが見つかった〗
コメント欄
[二人だけの生活が始まるのね!]
[早く生活に慣れるといいね!]
[ここで気を抜いてはだめよ、しっかり頑張って!]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます