ぼっち少女に恋したら神聖オタクっ子だった!?

隠れヲタク(Lv10)

第1話 クラス替えで出会った俺的美少女。


やぁやぁ。俺の名前は楠木栄太。


またの名を【漆黒の騎士】ダークナイトという。


この世は闇に包まれつつある。そんな世界を救うべく戦っているのがこの俺だ!

暗闇の中でもこの産まれ持ったホークアイで敵を見つけ出し、静かに、そしてつむじ風のごとく近づく。俺の気配に気付いた頃にはもう遅い!俺の相棒、漆黒の剣ダークブレードで敵を魅了し圧倒するのだ!


誰に自己紹介しているかって?

俺のことが気になって仕方ない君にさ(キラッ


すみません。とりあえず忘れてください、、、


そんな中二病交じりな俺だが、普段は至って普通の中学2年生である。今日も新学期が始まった学校に向かって食パンを咥えながら走っている。


決して!ラブコメお約束展開を狙っているわけではない!

ただ新学期初日に寝坊して朝食を食べれなかっただけだからな!


結局かすかに期待していたお約束もなく学校に到着した俺は、外の掲示板に貼ってあるクラス替え発表の紙を眺めていた。


「あぁ、、、今年も俺に魅了される女子が増えるのか(フッ」


「おい。なに独り言つぶやいてんだよ。んでもってキモい。」


「!!!!!?。なんだお前か」


新学期早々この俺にキモいなんて言ってくるこの男は一宮圭。


幼稚園からずっとクラスが一緒という幼馴染である。


そして今年も例のごとくこいつと、、、


「ん!?!!? 違うだと!?」


「あ〜、今年はクラス違うんだな」


クラスという組み分けが始まって以来ここまでずっと一緒だったこいつとクラスが違うのか。きっと一宮は寂しいだろう、、、元気でな、、、


「あ、今年はあいつと同じクラスか。めんどくさいな。」


「あいつって?」


「彼女。」


!!!!!!!!!!!!!?!?!?


「うぇっ!?にょ!?お前彼女なんていたのか!?」


「え?」


「い、いや。何でもない。」


おいおいおいおい。まじかよ。一宮に彼女なんて聞いてねぇぞ!

そもそもいつの間に彼女なんて作ってたんだよ、、、

しかも彼女のことめんどくせぇとか言ってなかったか???

何なんだよその余裕は、、、くっそう、、、


なんていう焦りを悟られないよう俺はクールに


「ま、今年は俺とクラスが違うからって落ち込むなよ(キラッ」


といって立ち去った。



クソッ!俺だってやる気になれば彼女くらい!!

大体一宮のどこが良くて付き合ってんだか(ケッ

と幼馴染に嫉妬しながら新しい教室へと向かう俺


教室のドアの前まで着くと、中から賑やかな声が聞こえる。

ドアの窓を覗き中の様子を偵察していると急に脚が震えだした。


しっ、鎮まれ俺の右脚!

まだ出てくる時ではない!鎮まれ!

しばらくすると脚の震えが治まり、教室に入ることにした。


よしっ。よくぞ俺の願いを聞いてくれた。

その時が来るまでおとなしくしているんだぞ。


ガラガラガラ…


静かに教室に踏み入れると、クラス全体の視線が俺に注がれた。


ヒソヒソ…


通路側にいた女子たちが俺を見てヒソヒソしている


ほんの少し聞き耳を立ててみると


「あの人ってあれだよね、去年隣のクラスだった」

「あー、言われてみるとそうかも」


ん?俺ってもしかして

学校の有名人!?


「いっつも一宮くんと一緒にいる人だよね」

「そうそう。一宮くんの金魚のフン」

「今年も一宮くんと同じクラスになれなかったなぁ...」

「まぁまぁ、まだ来年があるよ」


...。


俺はクラスの視線に刺されながら、傷ついた心を庇いつつ自分の席に着いた。


席に着いて、何も考えず

ただ時計の秒針を眺めていると


「え、フンの顔やばくない?」

「うわまじだ。この世の終わりって感じ」


おぉ、、、俺はフンって名前になったのかおめでとう。

と自分を慰めつつ、女子の話に聞き耳をたてた。


我ながらドMかよ


「てかフンの席。あの子の隣じゃん」

「www お似合いじゃんwww」

「フンとぼっちちゃん。最高の組み合わせじゃない?w」


ん?ぼっちちゃん?

誰だ?そんな可哀想な子は。


まぁ俺も可哀想なフンだが


ぼっちちゃんの正体が気になり

さりげなく隣をみてみる。


ファッッッッッ!!?!?!?!?


肩に軽くかかった綺麗な黒髪

心配のない程度に華奢な身体

色白で透き通った肌

化粧っ気のないベビーフェイス

高すぎず低すぎず芯の通った鼻筋

頬はほんのりピンク色


おぉ、、、、女神、、、、


ダークナイトである俺の心に射す一筋の光のような女子生徒がそこにいた。


俺はしばらく見とれてしまった。


「フンめっちゃ見てるよ」

「一目惚れかな?気持ち悪っw」

「いいじゃんw お似合いだもんw」


女子の会話する声が聞こえて

ハッと我に帰った俺は


心臓がバクバクするのを

必死に抑えようとしていた。


そう。あの女子達の言う通り


一目惚れだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぼっち少女に恋したら神聖オタクっ子だった!? 隠れヲタク(Lv10) @manomachu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ