第2話 私の大好きなユニオン

小さい頃から夢を見るのが好きだった。趣味と言っていいくらい、たくさんの夢見る物語を考えたものです。


こんなことがあったらいいな、とか。こんな世界があったらいいな、とか。きっとみんなそれぞれ考えると思うの。


私は魔法が好きだった。動物が好きだから、それから派生したモンスターが好きだった。自然が好きだった。だから、ファンタジーと呼ばれる物語を、ルーズリーフを半分に折って、それをさらに3つに折って、横にして、細かくびっしりと文字を書き詰めた。


中学生の授業中にずっと眠りもせずに書き綴っていたものだから、先生たちには勉強熱心な子だと思われていたのね。いつも授業態度が最高得点だった。


ここで私は本質って、こんな近い距離でも見えないものなのかと感心したのだった。


あくる日は、恋愛物語を書いたりして、恥ずかしいなぁと心でぼやいて捨ててしまったこともあった。思春期とか関係なしに元々照れ屋の私は、そういうことが度々あった。


そうやって何個も何個も物語を小さく作っていくうちに、一人の女性が現れた。


彼女は少し気が強くて、でも愛情深くて、私と一緒に年をとっていく燃えるように長い赤髪が綺麗なお姉さん。どの物語にも介入してきて、私の物語に華を咲かせてくれた。少なくとも私にはそう思えた。


歌が好きで、登場人物に聞かせて心を開かせたり、強い意志で導いたりしてくれた。時には勇ましく戦うこともあった。けれど、人一倍寂しがり屋の彼女は夜の帳が下りる頃、ひとり窓辺でこっそり泣いていたりしていた。


私はそれが悲しかった。


だから彼女を明るい物語に連れ出して、たくさん連れ出して、他の世界と別れるたびに、その世界の残滓を持ち歩いてくれるから、"繋げる者"という意味で、ユニオンと名付けた。

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