スターマンの冒険Zero

開闢

137億年前、世界は女神が奏でた一つのハープの音色から始まった。

女神が奏でた数多のハープの音は複雑に響きあい、たった一つの調べが生まれる。

ゆえに世界はかくも美しい。

悲しみと涙に満ちてさえ。

数え切れないほどの生成。

数え切れないほどの滅び。

女神はそれでもなお、奏で続けた。たとえそれがどんな喜びや嘆きを生むことになろうとも、女神はその手を休める事をしなかった。

今、遠い遠い宇宙の果てから一隻の宇宙船が航行している。中には3人の異形な頭部を持った者たちが見える。

しかし、どうやら様子がおかしい。あまり宇宙船の状態は芳しくないようだ。エンジンからは火を吹き、船体も所々に生傷が絶えない。おまけに通信も途絶えたときた。

これまでかと、覚悟を決めた3人。しかし、揺れる船内から１つの青い惑星を発見する。

親から子へ絶え間なく受け継がれる星の記憶が満ち溢れる、生命の惑星。

これから始まるのは、この惑星で奏でられる２つのハープの調べ。