終わりなき終焉を

壱闇 噤

曼珠沙華の囲い屋城

第壱雨

『夢のまた夢』


鬱屈な雰囲気を兼ね備えた、もりの奥。そのやしろはあった。

社に住まうは年若き見た目の青年。曼珠沙華が枯れずに社を囲う、その社の──唯一の主。

光を受け光る白銀の髪を緩く頭頂部に結い上げ、顔の右半分を覆い隠すように被った狐面。隠れていない瞳は血に濡れたが如く深紅。沈丁花柄の扇子を気だるげにぱた…ッと動かす、白き手を覆う漆黒の手袋やみ

その青年は悠久の時を生きる──……まるで何かを待つように。








──今宵も青年の元には人でなきモノたちが集う──

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