第6話天上と我々

人が生まれる時、その天空では一本の錠前が下ろされる。

天界と地上とが鉄格子を以て隔たれているのは自明である。

(それはあの美しき薄明光線を見てご覧。

ほうら、格子の様に引き裂かれているだろう。)

そして、その格子は地上にとっては牢獄であるが、

しかし、天上には唯のグレーチングに過ぎない物である。

其れ故、あそこから流れ落ちて来る様々なものは、

天上の不要物に過ぎないのであって、

日々我々は、

愛とか、希望とか、奇跡とか云う

天上に暮らす神々には不必要な物共を

日用の糧と享受しては、

(神々の真なる楽園には、寧ろそうした物共で溢れてはいけないなどとは

露と知らずに。)

今日も神へと頭を垂れるのである。



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独りよがりの詩 小説初心者 @141421356

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