第62話 矢島製麺所01

 先程のベーグル対決では、直紀さんの圧倒的人気に軍配が上がりベーグル対決は終結した。

 そしてこれから彼がなんで鳥のミルクで売れたのか非常に気になっていたので私は彼にその話をした。


「ねぇ。直紀さん。なんで鳥のミルクベーグルやビーフストロガノフベーグルが凄く売れたのか理解できないんだけど。」


「絵理奈ちゃん。鳥のミルクベーグルやビーフストロガノフベーグルはお前の体内食堂にきちんと貯蔵してあるんだ。」


「私の体内食堂にそういう物が沢山、貯蔵してあると…。」


「そうだ。で、絵理奈ちゃんのお腹の中で仲良く過ごしているウッチャンは掃除もよくしてくれるし、絵理奈ちゃんの体内墓地の掃除もしてくれるから非常に嬉しいんだ。」


 なんか私のお腹の中にそういう物が貯蔵されていると凄く嫌な気分になるけど、私の体でそういう物が作れる機関があると私の体はどうなっているんだと思う位、凄く疑念を抱いた。


「そうなんだ。で、ウッチャンが食べたいから鳥のミルクベーグルやビーフストロガノフベーグルを食べてあげ刺させたんだね。」


「その通りだよ。」


「ふふっ。本当に面白い人だね。直紀さんは…。」


「勿論だ。絵理奈ちゃん。俺は絵理奈ちゃんの体の構造を知っているから余計にね。」


 私は直紀さんが凄く面白くて私の体を大事に掃除してくれる存在だから私はこうして共に暮らして過ごせるのは凄く嬉しい。


 私の体内墓地や食堂はすでに国内外の亡くなったお年寄りの遺体を埋葬させ、私の卵子としてかえって来る仕組みだから私は凄く嬉しかった。

 つまり、私のお腹の中で肉体は消化され、卵子細胞として構成される。


 そして骨は私のお腹の中で永遠に埋葬されるから私の体は墓守女子になっている事に気づくと死ぬことも年を取ることも閉経もできない状況がこれからもずっと続くんだろうなと思った。


 これらはすべて墓守女子になる代償になるから柚弦が先に亡くなったら私は本当につらくて1人で過ごさなければならない存在になると少し怖いが、墓守女子は自殺ができない体になっているから、私は少し怖さも感じた。


 私のお腹の中では子供が単所する器官と亡くなった人を埋葬する器官の両方があるなら私のお腹の中で人生の始まりと終わりを作られるのは私が死ぬ事が出来なくなった代償なのだと感じた。


 そう思いながら私はこれから直紀さん達と共に次の場所へ向かった。

 そして、ある製麺所に到着した私たちはこれから歩奈さんと直紀さんが凄い話をしている様子に驚いた。


「ねぇ。彩海。直紀さん達はこれから何をやっているの。」


「さぁ…。私にも理解できないからな。」


「そうか。私は墓守女子になった代償として私の死なない、老いない、閉経できないがあるからずっと生理痛を続きながら生きなければならないと凄くつらいよ。」


「そうか。でもエリぽん。それ言ったら私も同じ墓守女子だから同じ条件だから柚弦ゆずるが死んでも1人じゃないよ。」


「そうそう。私だって、弟の俊也としやが亡くなったら凄く辛いよ。けど、私達はこういう状況だから同じ環境を理解できる墓守女子として過ごせる仲だから共に仲良くしような。」


「ありがとう。茉理まつりさん。」


「いえいえ。私達墓守女子は人間であるけど、同時に神様だからこうい生き方もあるんじゃないかと思うね。」


「そうだね。私達は生きた人間だけど、神様でもあるから死なないのはなんか、人類が滅亡したら私達だけになるんだなとつくづく実感しちゃうよ。」


 私はもし人類が滅亡したら私達だけが生きる喜びと絶望が味わう状況に少し驚愕したけど、それでも絶対にくじけてはいけないと思うと少し嬉しくなった。


 私達墓守女子は人類が滅亡しても生きていられるのは確かなんだなっと…。


 すると矢島製麺所で直紀さんと歩奈さんがまたもや争いを始める状況になりつつあった。


「直紀さん。今回も麺対決しようではないか。」


「あぁ、今回は創作ラーメン対決だ。」


「で、私のあら汁ラーメンと直紀さんのボルシチラーメンはどういう争いになるか試してみようではないか。」


「おぉ。それを受けてみようではないか。」


 興奮して没頭する彼らの様子を見てまるで子供だと思った私だったけど、歩奈ふなさんと直紀は実は意外とこういう争いをしているからこそ面白い創作料理を出せるのだと思うと少し複雑な感じもした。


 何で彼らがこんなに争って変な戦いに発展するか…と…。

 私はそう思いながらこれから彼らの対決に付き合った。

 すると、店主さんが…、


「おぉ。直紀さんと歩奈ふなさんの料理対決が俺達の製麺で使われるのは非常に光栄だ。だからどちらの売り上げが高いかで商品化しようと思うが大丈夫かいな?」


「おぉ…。当然だ。俺達は登園、その勝負をしてもらうぞ。」


「当然だよ。直紀さん。」


 私は彼らが本格的な熱さにここでも彼らの料理の腕対決に付き合わされる状況になると凄く複雑ながら、これで本当に料理が向上できるのかと疑念を感じた。

 これで本当に良いのか非常に疑問だったけど、実はこういう争いだからこそ私は凄く面白い対決ができるのだと思った。

 どちらかが勝利したらここでも商品化がすすめられると意外と凄い話になると思うと彼らの熱は冷めなかった。

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