第48話 少女は茶蕎麦を美味しく頂く。中編。

 その頃、私の体内では直紀さんと柚弦ゆずるが何か遊んでいると感じた。

 私自身はその体内を聞く事が出来ないけどね。

********

「エリぽんの体内は凄く落ち着くな。」


「あぁ、絵里奈お姉ちゃんの体内の中だと凄く綺麗で安心出来る環境だからな。」


「それは小世界だからなのか。」


「あぁ、女の子の体内は小世界になっているからな。」


 俺はこの世界の構造に凄く温かみがあると思った。


 落ち着きのある肉壁…。


 優しい動きをする肉壁…。


 温かみがある肉壁…。


 この肉壁は凄く綺麗な壁でありながら凄く頑丈なつくりをしている事になると意外と落ち着いた綺麗な壁をしているんじゃないかと感じた。


 そして体内の音をじっくり聞くとやはり絵里奈ちゃんの体内らしく凄く落ち着いた脈を感じ、波動の高さを特に感じ取る事が出来た。

 彼女の身体の波動は全体的に高く、特にお腹付近の波動は極めて高い。


 いや、墓守女子自体は全体的に波動が高いけれど、彼女の体内の波動は墓守女子の中でも特に高い人間だと分かると凄く理解できた気がした。


「だから、柚弦ゆずる。ここに茶蕎麦ちゃそばが来たらどうするんだ?」


「直紀さん。俺はここに茶蕎麦ちゃそばがきたら食べるの一択でしょう。姉ちゃんの腸を大事にしたい為に。」


「そうか。で、お前はどうしたいんだ?」


「えっ。俺も柚弦ゆずるが絵里奈ちゃんを守りたいからしっかりと食べようではないかと思う。」


「あぁ、流石2人とも良い目をしている。それを決して忘れんじゃないぞ。」


「了解。」


「了解。」


 俺はこうして2人の波動の高さも感じ取れ、これから絵里奈ちゃんを守りたい気持ちと絵里奈ちゃんのお腹の優しさが彼らも感じ取れたことに凄く安心し、これから本格的に食べたいと感じた。


「皆は絵里奈ちゃんを守る為のここにある流し茶蕎麦ちゃそばを食べようではないか。」


「あぁ。その通りだ。」


「勿論だ。」

 俺は柚弦ゆずるとその傍にいる友達が凄く波動を良くしてくれると思いながら、これから絵里奈ちゃんの体内にくる茶蕎麦を頂こうと感じた。

 絶対に絵里奈ちゃんを守る為に…、

*******

 その頃、私達は彩海あやみの保管腸にたどり着き、これから作戦会議をしていた。


「なぁ、君達。」


「あぁ、あなたが歩奈ふなだな。」


歩奈ふなさんはどうやってしたいんだ。」


 ここは彩海あやみの体内で保管腸という場所なんだ。


「へぇ~。」


「そうなんだ。」


 でも、ここは凄く安心出来る場所で、私は彩海あやみの消化液を浴びてから私は墓守女子にならないけど、年齢を老う事はなくなったんだ。


「それって、歩奈ふなさんも女性だから、墓守女子の影響を受けたって事。」


「そうかもな。私もスタイルは良いし、顔も意外と悪くないから墓守女子になってもおかしくないからな。でも私はならなかった。けど、液を浴びる度に死が次第に遠ざかってゆく、そして遠ざかる死と老いが続くと本当に私は不老不死になってしまうかもしれない。」


「つまり、墓守女子の影響を受けるのは女性だけだと。」


「女性全員ではない。スタイルが良くて顔が良い人間が選ばれる事が多い。しかし、この駅を浴びると容姿が良くない人も容姿が良くなったり、体形が良くない人も急激に痩せたりするから、墓守女子の腸内細菌や消化液を利用したサプリメントや料理が存在するんだ。」


「へぇ~。そうなんだ。」


「なんか、墓守女子を他の女子までに影響を及ぼすなんてどんなものなんだろうな。」


「分からないな。でも、私はこれでも良かったと思っている。別に死や老いが無くなっても私はここでいるだけで凄くホッとするからな。」


 私はこの体内世界が凄く気に入っている。


 例え老いや死を奪われてもこの世界でずっと生きてゆきたい気持ちがこんなに出ると思うと凄く嬉しい波動を感じる様になってきた。

 だからこそ、彩海あやみには感謝している。

**********

 そして、私達はこれから流水麵から出来た料理にこれから本当にご飯を頂こうと感じた。


「これが流水茶蕎麦ちゃそばなんだね。」


「あぁ、麺つゆも出来た。三倍濃縮に水を入れたからこれから食べようね。」


「うん。」


 私とあやみんはこれから流水茶蕎麦ちゃそばを頂こうと感じた。


「うん、確かにこれならそのまま呑み込んでも良いよね。」


「あぁ、どうやら今の私達は噛めないからそのまま流水茶蕎麦を飲み込むしかないよね。」


「そうだね。」


 私はこれから体内で流水茶蕎麦ちゃそば大会が行われる事になるのを予測して、流水茶蕎麦ちゃそばを噛まずにそのまま呑み込んだ。

 そして流水茶蕎麦ちゃそばは消化できないと判断した為、食堂から保管腸に流れ込んだ。

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