墓守女子の体内食堂。

ЕСБの革命

少女達の日常

第1話 少女たちはビーフストロガノフを食べる。

 ―――墓守女子。


 ―――世間ではの為に若くて容姿が優れた女性に不老不死と閉経へいけいが無くなった事を引き換えに、彼女達の体内ではおじいさんや自殺した男性の遺体等を体内で埋葬する仕事が永遠に来る様になる。

 当然ながら、学業や仕事などを進める一方で、彼女達はお焼香などを使って供養する仕事の依頼が休みの日を中心に回っていた。


 ―――けど、墓守女子の待遇は非常に良く、そこら辺にいるサラリーマンよりも収入が遥かに高い上、福祉に関しても充実しているので、生活に余裕がある場合も多い。加えて、自力で富豪になった女性の9割以上は墓守女子であり、墓守女子は普通の女性より長生きで裕福な人も多い。


 ―――そんな彼女達は墓守女子の体内は子宮の他、腸内にある体内食堂を開放しており、墓守女子が入る事が出来ないエリアである。しかし、多くの人間からすれば墓守女子の体内食堂は、下手な外食よりも健康的で宴会を行うのに最適な場所として有名だった為、多くの墓守女子の体内食堂は予約が殺到し、同時に死者を慰める為の場所となり、腸の中にはお墓が作られ、人骨も多く存在する。


 ―――そして、これは墓守女子の体内食堂にいるお客様と料理人。そして、墓守女子達の食事会の物語…。


 ********

 私の名前は豊中江里奈とよなか えりな

 13歳で墓守女子となり、現在は15歳になり、晴れて高校生になった。

 当然、私は墓守女子故に、周りからは慕われている。

 けど時折、私のお腹の中ではお葬式が行われている状況は墓守女子なら受け入れる必要がある。

 そんな私の体内でとある料理店が繁盛している。

 その料理はロシア料理店『ノヴァ―ヤ』という店なんだ。

 生憎、私のお腹の中でお店を開いているせいか、私のお腹では食べた物が入る腸とお店屋さん用の腸がそれぞれ存在し、双方で別の役割を果たしている。

 2つの腸は胃袋で別れ、直腸で合流する様になり、墓守女子になると小腸や大腸の他に保管腸が細胞から作られ、大腸よりやや短く、小腸より太いながらお店スペースと死者を消化して遺骨にするスペースが用意されている女子。

 故に、体内葬儀が行われる以上、火葬を減らす意味合いでも彼女達は不老不死と閉経しない身体になり、寿命が尽きる事すら出来ない身体になっていった。

 そして、その『ノヴァーヤ』を運営しているのは私の彼氏である料理人、石見直紀いわみ なおきさんだ。

 彼が私の身体を大事にしながらお店屋さん用の腸内でロシア料理店を営んでいるの。

 私も直紀さんのロシア料理を食べてみたいと思いつつも、私のお腹の中では直紀さんの料理を食べたい客がいる上、私の体だから入る事は出来ない。

 更に、直紀さんのロシア料理は予約制を取っており、人気高い料理店で、予約日の朝にお客様が小さくなって私の口の中に入るので、私は女子高生をやりながらも朝はお客様を私自身の体内に入る為の準備をしなければならない程、大変な作業をやらないといけないの。


 そう思いながら私は今、高校にいる。

 そしてこの高校の休み時間、彩美あやみと共に行動していた。


「ねぇ、彩海あやみ。私が食べたものはちゃんと私の腸内で栄養になっているよね。」


「エリぽん。大丈夫だよ。私も墓守女子だけど、私のお腹の中ではお寿司屋さんが入っている。でも、私のシャリの原料の一部が私の腸で栄養になって凄く喜んでいるけどな。」


「そうなんだ。彩海。何だか、私達は生きているけど、特別な存在だからお腹の中でおいしい料理が作られると私達だけ、食れない虚しさがある一方、体内で誰かが食べてくれると凄く身体が温まるね。」


 その話を聞いた私は、自身の体内でキチンと食べた物が栄養になるのか非常に気になっていた。

 私を含めてそうだけど、墓守女子の腸内はお墓と食堂、食べた物の栄養にする役割の他、死人を私達の体内でじっくり骨にして埋葬する。

 私達は墓守女子になった以上、死と老う事は確実に不可能なのでこれからもずっと生きていかなければならない。

 だからこそ、私は生前葬を何度も繰り返し、顔を隠しながら私達のお腹で拝む事が普通になった。

 そう、繰り返して行く内に私は多くの人の死を見ながら、成長する。

勿論、私の身体の臓器の状態は各臓器が私の脳に報告し、脳も身体の臓器の事を考えるようになったからそれはそれで私は良いと思った。

 ********

 そして、学校の昼飯の際、私と彩海はこれからどの学食にするか考えこんでいた。


「ねぇ彩海。学食はどれにしたい?」


「エリぽん。アンタが好きに選びなさいよぅ。」


「うん、分かった。」


 彩海がどれでも良いなら好きなものを選んでも良いと断言したから私は食券機でじっくりメニューを見ていた。

 すると私は、ある料理が目について…、


「ねぇ、彩海。ビーフストロガノフはどう?」


「ストロガノフか。なら私とエリぽんの分を同時に注文しようか?」


「うん、それにしよう。」


 私と彩海はビーフストロガノフを注文し、これから2人でそれを食事した。

 ***********

「頂きます。」


 学食でビーフストロガノフが食べれる私は何て嬉しいんだろうか?

 普段は直紀さんさんが休む、月曜日の帰りしか食べれないビーフストロガノフがどうして学食のメニューにある事に気付かなかったのだろうか?

 そのビーフストロガノフを私と彩海の舌の絨毯でそれを味わう様に噛んで舌で頬張った。


 そして、学食のビーフストロガノフを食べた私達はその味を味わった事で…、


「コクがあるのに、味がしつこくない。そして適度に酸味があって凄くおいしいね。彩海。」


 と彩海に言いながら私は非常に美味しく頂いた。

 すると彩海がビーフストロガノフを嬉しく食べる私を見て…、


「エリぽん。アンタはボルシチやビーフストロガノフを注文する位、薄口料理やロシア料理が好きなんだね。」


 と私のロシア料理好きの凄さを素直に教えた。

 当然、私はそれを指摘しようと思い…、


「うん、濃い口だと調味料が味の風味を邪魔して素材本来の味を殺してしまうから嫌いなんだ。彩海。」


 と返答し、彩海も素材について気づいたのか…、


「確かに、お寿司も素材本来の味を生かす事、食中毒を防ぐ為に酢を〆たご飯にしょうゆと山葵などを付けて食べる。それ以外を付けないのは素材本来の味を生かす為なのは納得できる。」


 とお寿司との関係性を指摘した後、私は…、


「そうだね。彩海。」


 と素直に返事した。

 私は、彩海と共にビーフストロガノフを食べながらお寿司とロシア料理の話をしながら、ゆっくりと食事を続けた。

 *********

 勿論、私のお腹に中にいる、直紀さんも私がビーフストロガノフを食べている事を体内で知ったせいか…、


「お待ちどうさま。今日はペリメニ餃子とボルシチのフルコースをお楽しみください。」


 と素直にペリメニとボルシチを提供した。

 当然、貴婦人はその料理の匂いを凄く良いと感じたせいか…、


「ありがとう。直紀さん。」


 と感謝して貴婦人は、ロシア料理を素直に頂いた。


「えぇ、ロシア料理店を絵里奈さんのお腹の中で開店出来る事は僕の誇りですから…。」


「そう。では、貴方のロシア料理をご堪能しますね。」


 そして、私のお腹の中で貴婦人がそのペリメニを食べ…、


「素晴らしい。肉や牛乳が多く使われているのにしつこさを感じず、皮の中から味が出てきて美味しい。」


 と貴婦人は喜びながら、ペリメニを味わった。

 すると、直紀さんはこれから貴婦人さんに自身のペリメニを説明する準備をした。


「貴婦人さん。このペリメニはロシアでいう水餃子です。餃子に生クリームを掛けて味わう料理です。当店では栃木県産ガーンジー牛から取れた生クリームで調理しているので、余計な成分は無くとも美味しくお召し上がれます。」


「凄い。流石はロシア料理のプリンスである直紀さんね。」


「いえ、貴婦人さん。私は薄味に拘るのはこの店の所有者である我が彼女で墓守女子、豊中絵里奈様が薄味に凄く拘りを見せ、私がロシアから帰ってきた際に絵里奈様のお腹で開店する事で家賃免除しながら美味しい料理を提供しているのです。」


「そう。でも、墓守女子は殆どが裕福か金に執着していないので、殆どのお方はタダで提供できる懐の良さを感じられます。」


「そうか、確かに絵里奈さんも彩海さんもそこらにいるサラリーマンより収入があって、金に拘っていない風格を感じまっせ。」


「そうですね。絵里奈様は体内墓地の遺族からお布施を貰っておりますので、そこまでお金に拘ってなくて逆に助かります。それでは、ビーフストロガノフもご堪能ください。」


「ありがとう。直紀さん。では、ビーフストロガノフをご堪能します。」


 何だか、私のお腹の中で、私が食べるビーフストロガノフより暖かく、良い味を出している。

 直紀さんが作る料理は私が直接食べる事が出来ない。

 しかし、私の小腸や大腸から作られた腸味覚のお陰で直紀さんが作った料理をどれだけおいしいかは実感できるのは凄く助かった。

 だから、私が食べられなくても私の腸がおいしいと判断すれば私のお腹、特に私のお豆みたいな浅い出べそから温かみを感じるから、それだけで嬉しかった。

 あぁ、私も食べたい…。

 私の口にある舌でその料理をじっくり堪能したい…。

 直紀さんの料理を私の舌でじっくり堪能したいのは私の願いでもあった。

 すると彩海が…、


「ねぇ、エリぽん。私のお臍を出すからじっくり触ってくれないかな…?」


 と言われ私は驚愕した。

 何で、と思いながら私は彼女のお臍をしっかりと確認しようとした。


「うん、私も出すから彩海のお臍も見せて、触って、互いにどれくらい暖かいか確かめようよ。」


 私と彩海はお腹の中がどれだけ温かいのか確認する為、互いにお臍を出して、観察した。


「エリぽん。アンタのお臍、お豆みたいな出べそで凄く可愛いね。」


「彩海の緒へもそ浅くて綺麗だから凄くよいよ。」


「では触るよ。」


「うん。」


 私と礼音は互いのお臍を触り、互いの体温がどれ位、温かいのか確認し、温かみを実感した。


「うん、彩海のお臍回りは柔らかいけど、優しい温かさで皆を安心させる。」


「そういうエリぽんこそ、良い感じで暖かいでないか。そして、穏やかな動きが気に入っているよ。」


 何か、彩海と共に互いのお腹の弄りあいをしているとどうしてこんなに温かいかなと思いながら、薄味で素材を生かした美味なビーフストロガノフを堪能した。

 でも、直紀さんのビーフストロガノフを私の口の舌で味わいたいな…。

 そう思いながら、私はビーフストロガノフを味わった。


※2019年12月5日。大幅訂正しました。

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