完成しないのが、また美しいので。

抹茶ぷりん

【Beautiful-人生】

 「私は美しいの」


ある1つの花はそう言う。

その彼女の言葉に、他の花は何も感じなかった。


「ほら、みんな私の方を向いてくれる」


上機嫌に、その花はそう言う。

その彼女の言葉に、他の花はくすくすと笑っていた。


「私の魅力が、罪と知っててもなお、これは仕方のないこと」


悲しそうに、その花はそう言う。

その彼女の言葉に、他の花は何も言わなかった。


「私は綺麗。だから誰も何も言えないし、誰も近づけない」


得意げに、その花はそう言う。

その彼女の言葉に、他の花はシクシクと笑っていた。


「私はどの花よりも可憐な花。誰も超えられはしない」


強気に、その花はそう言う。

その彼女の言葉は、他の花には届きはしなかった。





















「私は美しいの」


ある1つの花はそう言っていた。

その彼女の言葉に、ある一輪の花がこう言った。


「あなたは醜いの。私こそが至高の一輪なの」


彼女は、美しかったその花に嘘をついた。

その花は、2度と言葉を発することはなかった。


そして、私は「美しい」を背負う。

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