第4話宗像春馬の話(0)

取り調べ室は暖房の効きが弱かった、中学1年の少女を2年以上監禁していた犯人と思えない程に宗像春馬は小さく見えた

「まず家庭環境だけど…」

棚橋が口にすると宗像はゆっくり話始めた


『家は…自営業でした…母親は専業主婦で…』


ー宗像春馬の父親は市内に数店舗ある地元密着のクリーニング屋を経営してました…

はい、裕福な家庭ですねー


『大学はストレートでC大学に入りました…家からだと通学が厳しいので大学近くのオートロックの部屋を借りて貰いました…大学の仲間がいつも居るような大学生活になると思ってました』


「宗像、悪い今日の亜細亜経済学のノート写させてくれない?」

キャンパスを歩く宗像の肩をチャラそうな若者が抱いた

「仕方ないな…その代わり三朗ラーメン奢れよな」

『大学の友達は多くはなかったけど何人か居ました、大学生活ですか?普通です』


部屋に帰ると宗像はパソコンの電源を入れると動画サイトを立ち上げた


『でも中々部屋に友達は来ませんでした、サークルとか苦手だったので入ってなかったせいだと思います』


ー実際はバイト先の高校生と付き合ってます…いえ、肉体関係はありません、証言とれてますー


「彼女についてはどう思う」

棚橋の言葉に宗像は意外な答えを返した


『最初は誰でも良かったんです、でも今思えば彼女でなくてはいけなかった…ここまで来れなかったのだと思います、運命…だったんです』


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