君と眠りにつく
青葉芳
貴方
夜に寝ると、知らない間に次の日が来る。
そんな当たり前を当たり前のように受け入れている他人も理解できなくて。
それでも非情な事に、
当たり前に絶えず朝は来るわけで。
それでも一人で生きていかなきゃいけないのが嫌で
今日から明日になる瞬間をひとりで迎えるのが怖くて。
なんて……考えすぎだと他人は私を笑うでしょう。
そんな事、言うつもりなんてなかったはずだった。
一緒に寝てくれと、懇願したわけじゃなかった。
ただ、この私だけが抱えている恐怖を
なんとなく、貴方に理解してもらいたかった。
賢い貴方なら、私の言っていることを
なんとなくでも分かってくれるんじゃないかと思った。
優しい貴方は寝れない私をなだめるように
腕枕をして私の背中をさすってくれた。
自分のではない体温。
自分のではない鼓動に呼吸。
朝も貴方がいてひとりじゃないという奇跡。
私は貴方といる時だけ、
安心して眠りにつけた。
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