小皿には豆が一つ。

黒い豆が一つ。

甘いものなのか、しょっぱいものなのか。

食べてみぬとわからぬ。

艶々とした黒は、小皿と己を写している。

豆が一つ。

小皿の上。

たった一口で食えてしまう。

そんな豆なのに、何故か食べるのが憚られる。

己は豆を見つめる。

豆も己を見つめている。

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