ネトゲもの

ブッキー

第1話 読んでくだされ

俺達は今、攻城戦に参加している。


「いたぞ、撃て」


「うん」


俺の仲間が、城壁の上にいた敵を狙い撃つ。


下から撃ったのに、よく命中するな。


「突撃するぞ。援護しろ」


異変に気付いた敵が攻撃してくるから。


「じゃあ、魔法を使うね」


ウイザードの仲間が呪文を唱え始めた。


「サンダーレイン」


敵の城塞に、仲間の魔法が降り注ぐ。


「突撃」


ガンスリンガーとウイザードの仲間は、俺の後について走る。


「雑魚にかまうな。クリスタルさえ破壊できれば、俺達の勝ちだ」


この砦の置くに設置されているそれを目指し、俺達3人は突き進む。


砦は混乱していた。


だが、俺達に気が付き、攻撃してくるヤツもいる。


「雑魚に用はない」


俺が剣で抑えている間に銃で撃たれ、魔法を浴びさせられ、雑魚はHPを0にされた。


ちなみに、俺の職業はナイトだ。


「そいつらを通すな。全員で囲め」


敵軍の指揮官らしい男が叫んでいる。


「突破するぞ」


俺達を囲もうとしていた1人を集中攻撃。


ひるんだすきに、敵の作ろうとしていた防衛線を突破した。


「私が敵を抑えている」


「たのむぞ」


ガンスリンガーを残し、俺達は進む。


「ここを超えたら、もうすぐクリスタルだ」


「うわ、矢が飛んできた」


階段の上から、敵が攻撃していた。


「ここさえ突破できれば」


俺達は少数精鋭での電撃戦を目的にしている。


ようは、足止めをくらってしまうと、困るのだ。


「私が魔法で」


「いや。ここは俺がやる」


剣をしまい、代わりに盾を取り出した。


ナイトの防御スキルを使用し、そのまま階段を駆け上がる。


「突撃してきた」


「何? 一人か?」


敵の矢が俺に当たり、HPが削られていく。


少数精鋭ゆえ、ヒーラーがいない俺達には、辛いダメージだ。


「援護するよ」


ウイザードの放ってくれた魔法が、俺に迫る矢を撃ち落とした、


しかし、


「あのウイザードにも矢を放て」


「きゃあ」


仲間は猛攻にさらされ、攻撃の当たらない場所に身を隠した。


だが、俺への攻撃は減り、突撃しやすくなったぞ。


「くらえ」


階段を上りきり、矢を放っていた敵に、盾を構えたまま体当たりした。


敵はこれには耐えられず、尻もちをつく。


「よくも仲間をやってくれたな」


敵ナイトが剣を構え、俺に迫ってきた。


俺はガードスキルを発動させ、攻撃を防ぐ。


「クリスタルは目の前だ」


敵の攻撃さえ防いでいれば、仲間が登って来て形勢逆転できる。


「ブリザード」


俺の意思が伝わったようで、仲間が俺に切りかかっていたナイトに魔法を使った。


「今だ。くらえ」


俺は再度、盾を構えての体当たり。


装備が重いナイトではあったが、バランスが崩れたようで、ソイツは倒れ込んだ。


残りはクリスタルの前にいるウイザードだけだ。


「ファイヤーストーム」


ここまでMPを温存していたのか、敵はいきなり大技を放った。


狭い部屋なので、俺達に逃げ場はない。


ここまででHPが減っている俺は、くらったら確実に死ぬ。


「それなら」


俺は一か八かのガードスキルを試す。


敵の攻撃に合わせ、盾でブロックする技術。


難度が高い上、ミスしたら攻撃をモロに食らうため、殆どのヤツが試そうとすらしない。


「だが、この局面はこれしかない」


俺に向かってとんでくる炎の竜巻に、盾を合わせる。


「成功した」


コンマ何秒かズレたら消し飛ばされていただろう竜巻は消えた。


「これで最後だ」


武器を持ち帰る手間を惜しむ、俺は3回目の体当たりを発動。


敵をクリスタルごと押し倒した。


「俺達がこの砦の城主だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ネトゲもの ブッキー @nukki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る