そして星屑は、きみに輝く
なつの真波
1
むかし、むかし。
あるところに、ひとりの男の子がいました。
男の子はとてもさみしがりやで、いつも泣いていました。
――くすん。くすん。さみしいよ。さみしいよ。
空から見ていた神さまは、男の子にたずねました。
――どうしたんだい、君。なにがそんなにさみしいんだい。
男の子はくすんくすん、泣きながら答えました。
――わからないんだ。みんなといても、いろんなものをもっていても、僕はとってもさみしいんだ。
神さまはすこし考えてから、きらきら光るお星さまをひとつ、男の子にあげました。
――どうだい、君。こんなにきらきらした美しいものがあるよ。君はもうさみしくないだろう。
男の子はお星さまと同じくらい目をきらきらさせて、こくんとひとつ頷きました。
ところが、次の日になると、男の子はお星さまを抱きしめたまま、またくすんくすんと泣くのでした。
神さまはびっくりして、次の日も、また次の日も、お星さまを男の子に与えたのです。
そうして気が付くと、あら、大変。
お星さまはお空から、ひとつ残らず消えてしまっていたのです。
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