生と死、愛と性、普遍的なテーマを、濃厚な色で塗り込めた短編連作です。
言葉のセンス、重いテーマを描ききる筆力、作者の持ち味が存分に発揮され、どっしりとした読後感を得られます。
作品傾向は多岐に渡るものの、どちらかと言うと死の色が強く印象に残り、カニバリズムや猟奇殺人、異常性愛などのショッキングなテーマに目が行きがちかもしれません。
それらも唸るほどカッコいい。
ただ、その中に混じるからこそ、「白蓮」の愛や「金沙羅」の暖かさもより際立つ魅力を発揮しています。
言葉だからこそ紡げる「色」の世界。
重厚でも短編、決して時間は取りません。
是非、好きなタイトルを選んで、あなたも読んでみては如何でしょうか。