クリスマスイブにフラッシュモブ

世界三大〇〇

哲也のグッジョブ

祐樹:あーあ、フラッシュモブで告られたいなぁ

哲也:なっ、なんだよ、急に

祐樹:だってさ、もうすぐクリスマスだぜー

哲也:そうだよなぁ、クリスマスだよなぁ

祐樹:渡辺まりえに告られたいなぁ

哲也:あり得ない。絶対にあり得ない。そんなことあるわけないだろ

祐樹:そっかなぁ? ライブの時はいつも俺に色目使って来るんだぜ

哲也:色目ってなんだよ

祐樹:ウインク。オレ目掛けての、ウインク

哲也:考えすぎだろ! 相手はスーパーアイドルだぜ。お前なんかに

祐樹:でもさ、番組の企画とかなんかで、ドッキリとか

哲也:それならありそうだな。 でも、俺なら藤田奈江の方がいいな

祐樹:あり得ない。絶対にあり得ない。そんなことあるわけないだろ

哲也:そっかなぁ? ライブの時はいつも俺に色目使って来るんだぜ

祐樹:色目ってなんだよ

哲也:投げキッス。オレ目掛けての、投げキッス

祐樹:考えすぎだろ! 相手はスーパーアイドルだぜ。お前なんかに

哲也:まぁな。オレには立派な彼女がいるからな

祐樹:おっ、希ちゃんのことか

哲也:まぁな

祐樹:クリスマスにフラッシュモブでも仕掛けたら? オレも出演するぜ

哲也:いいねぇ。でも駄目だ。クリスマスはライブだからな

祐樹:お前当たったの? いいなぁ・・・

哲也:希ちゃんのお父さんがテレビ局のディレクターだろ

祐樹:まさかの関係者席? しかもペア! いいなぁ・・・

哲也:お前も来る?4枚あるらしいんだけど

祐樹:行く行く、絶対に行く! でもさ、もう1枚って、まさか・・・

哲也:あぁ、そのまさかだな。大葉朱美も来るって

祐樹:オエーッ。それは嫌だ。絶対に嫌だ

哲也:朱美ちゃん、可愛いと思うけどなぁ

祐樹:どこが! オレはツインテ派なの。ポニテは絶対に嫌だね

哲也:じゃあ、どうすんだ?

祐樹:絶対に行くって。クリスマスライブだぞ。12倍だぞ

哲也:うん、分かった。言っておくよ。でもさ

祐樹:なんだよ

哲也:フラッシュモブなんだけど、もしさぁ

祐樹:ん?

哲也:いや、朱美ちゃんがさ、お前に仕掛けてきたらどうする?

祐樹:断る。フラッシュモブで断る!

哲也:本当? 朱美ちゃんがツインテでも?

祐樹:まぁな。オレは渡辺まりえ一筋だからな

哲也:そうか。分かった


結局、クリスマスイブのライブには、4人で行くことになった。この日の朱美は、ツインテールだった。もちろん哲也のアドバイスがあったからだ。祐樹は、朱美があんまり可愛いのでビックリした。どストライクなのだ。ライブの間も、渡辺の出番がない時は、すぐ隣にいる美少女につい目が行ってしまった。

その帰り道。事件が発生した。フラッシュモブが起こったのである。それは、朱美が祐樹に仕掛けたものであった。どこから集めたのか、中学・高校時代の2人の共通の友人達が総出演といった感じであった。

「さあ、勇気を出して」

「今こそ真実の愛を」

「確かめて」

「大葉、大葉、大葉・・・」


朱美:祐樹くん。好きです。つきあってください!


その言葉で締めくくられたフラッシュモブに、祐樹は感動していた。今にも『はい』と返事をしそうになった。その時、哲也が右手を挙げ、指をパチンと鳴らした。


すると、今まで朱美の仕掛けたフラッシュモブで演じていた友人達が再び踊り出した。それは、朱美に対する断りのフラッシュモブだった。その場で泣き崩れる朱美。祐樹は何が起こっているのか分からないでいた。

「しつこい人は嫌われる」

「真実の愛はここにはない」

「さぁ、祐樹よ。勇気を出せ」

「愛は始まってもいない。終わるはずもない」

「not begin」

「not over. not over.not 大葉・・・」


哲也:メリークリスマス













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