考察『夜廻』シリーズ

@FLAT-HEAD

1.両作品にはなぜ1人も大人が出てこないのか

 これは2作品のうち片方でもプレイされた人なら誰もが疑問に思われたのではないでしょうか。


 両作品の主人公たちがなぜ『まず親に助けを求めないのか』といった疑問は後回しにするとして、いくら夜だからといって町の人間が1人も外を出歩いていないのは不自然極まりないことです。そこで私が考えたのは、『2つの町の大人たちは町にオバケが徘徊していることを知っていて、あえて夜間は外出しないようにしているのではないか』ということです。


 たとえば俗に『量産型エ○ァンゲ○オン』とあだ名されている『道ふさぎ』ですが、こんなものが宵の口から夜明けまで(※シナリオが進むごとにゲットできるトロフィーの名前から、このゲーム内の事件が一晩の間の出来事であることが推測できます)町の道路を塞いでいたら、確実に車が突っ込んで事故を起こします。というか、深夜4時ごろにバイクで新聞配達をしているおじさんやおばさんが次々と食われて大事件になります。


 逆にそういった事故や怪死事件がすでに何件も起こったうえで『この町には夜間バケモノがうろついている』という事実が大人たちの間に周知されているのだとすれば、夜の町に1台の車さえ走っていないことの説明がつくと思います。

(※1作目のOPに出てきたトラックは夕方の登場ですし、向かった先が廃神社しかないトンネルであることを考えると、あのトラック自体が町の掲示板に書かれていた『神社に向かう途中で事故死した老人』の霊である可能性もあります)


 さらに1作目のシャッター商店街にたくさんの盛り塩がしてあったことも考えると、やはり大人たちの間では夜の街にうごめく怪異たちの存在が知られていたのではないでしょうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る