第7話


 ――で。何で俺は、のんきに魔王と城下に繰り出しているんだ。


 さらりとした風が、心地良く頬を撫でていく。柔らかいながらも目が眩まんばかりの陽光が世界を優しく、力強く照らす昼の半ば。

 アリスは、茂る草花や木々の幹に身を潜めて、先日馬車の中から眺めていた城下の広場を窺っていた。幹に腕をかけ、ぐったりともたれかかる様は、誰もが心配になるほどの疲労感満載である。活力みなぎる城下とは裏腹に、アリスのいる部分だけ妙に強く影が差していた。



 そもそも、朝食を終えてからが新たな悪夢の始まりだった。



 甘い朝食を終え、騎士達と今後の魔王に対する相談をした結果。アリス達は、満場一致でしばらく様子見をすることで決定した。


 ――魔王を討伐する。


 並々ならぬ悲壮な決意を抱き、国に乗り込んできたまでは良かった。

 しかしその後、豪勢過ぎる歓待や魔王の土下座に素直な一面、その他諸々のあまりに想像とかけ離れた実態に、どうしても決意にブレーキがかかってしまったのだ。

 無理に後味が悪くなる結末を導くよりは、数日でもこの目で観察し、決断を下す方が良い。

 幸い、幼き頃から共にいてくれた信頼出来る親友が護衛騎士だった。ミシェリアの中でも比較的公平な目を持つ彼らだからこそ、アリスの提案に賛成してくれた。

 結論を出し、しばらく滞在させて欲しいとクレスに願い出たところ。



「嬉しいです! それでは、城下を案内します!」



 言うが早いが、あろうことかクレスはアリスの手を取り、速攻で駆け出した。

 無論、アリスは止める暇もなく。騎士達はあまりの早業に制止する間もなく置いてけぼりにされ。

 そして、現在に至る。

 アリスは物陰に潜み、これまた何故か魔王であるクレスも潜み、城下を観察しているというわけだ。隣でわくわくと瞳を輝かせている魔王を見てしまうと、もうどうにでもなれ、と自暴自棄になりそうだ。

 しかし。



 ――ほんっと。のどかだな、ここ。



 馬車から望んだ時も思ったが、この国は本当に平和だ。

 白い石畳で舗装された広場。近場には小さな橋が架けられており、その下には澄んだ川が清らかに流れている。その川で時折ぱしゃっと、魚が元気良く空を跳ねているのがまた穏やかだ。その際に上がる水飛沫が陽光を照り返し、まるで昼間の星空の様に輝いていた。

 どこをどう切り取っても、魔王の居城が構えられている城下とは思えない。

 真っ白な色調の街並みの中、のんびりした平和が垂れ流されているこの光景に、アリスは頭痛から目頭を押さえた。正直、自分が魔王の懐に身を置いているのかも怪しくなってきている。

 だが、ここは紛れもなくリュシファースの国の魔都だ。


「……敵地に留まるだけでも大目玉だってのに」


 その上、魔族がうようようろつく城下に身を投じるなど、自分を心配する者達が耳にしたら卒倒するだろう。

 アリスに長くも短くも仕えてくれている部下達を脳裏に浮かべて、詫びる。

 が、次いで、事あるごとに口を挟み、傀儡政権かいらいせいけんを目論む貴族の顔が浮かび、アリスは小さく息を吐き出した。何故、見たくもない顔が趣味の悪い彫像の様に頭の中に並び出てくるのか。強烈な眩暈に見舞われた。



 ミシェリアは、勇者が絶対的に崇められている国だ。



 だが、決して清廉潔白だけで統率された国でもない。綺麗ごとだけでまかり通らないのは世の常である。

 十九歳であるアリスは十五の歳で成人を迎えているとはいえ、まだまだ若輩。国の統治や外交政策など高評価を下されてはいるが、それが気に入らない野心家はどの時代にもいる。

 特に、先代勇者の父が魔族との宥和政策ゆうわせいさくに積極的だったため、息子であるアリスもその路線を強化するのではないかと目を光らせているのだ。

 実際、今のところアリスは魔族に表立って敵対行為を働いてはいない。父の跡を継いだ政策を展開しているので、尚更気が気ではないだろう。

 今回の魔王討伐の旅も、真に信頼に足る重鎮一人にだけ打ち明け、付き添いも普段から護衛を務めてくれている幼馴染の双子に頼んだ。表向きは、視察を兼ねた国境付近への遠征ということになっている。



 アリスは、伴侶もいない。となれば、当然後継ぎもいない。



 そんな自分が魔王討伐に出たとあれば、それを利用して暗殺行為に乗り出す輩は決して少なくは無いのだ。いくら屈強な勇者でも、不死ではない。

 現在のミシェリアでは嫡子がいない場合、法律上勇者の血さえ引いていれば直系でなくとも良い。平たく言えば分家、親戚筋で良いのだ。


 特に年端のいかない子供であれば、野心を抱く者達の思い通りに国を動かせる。


 それで例え、『勇者』という存在が弱体化したとしても、欲に目が眩んだ輩ならばやりかねない。その後、魔王に滅ぼされる危険性が高くなろうとも関係ないのだ。


「……魔王と勇者の戦いの方が、よっぽど潔いってな」


 国の暗黒面にはつくづく嫌気が差す。

 自虐的に小さく吐き捨てて、アリスは先程から無視をされてもめげずに「こっちです」と手を振り続けるクレスを眺めた。

 およそ、魔王らしからぬ魔王だ。

 勇者に憧れ、自分の言動に一喜一憂し、表情をころころ変え、無防備に全てを曝け出してくる。



 ――こいつ、敵なんだよな。



 蜃気楼にでも出くわした感覚だ。煙に巻かれた思いをアリスは味わい続ける。

 血みどろの歴史に彩られた、勇者と魔王の物語。

 だが、言ってしまえば、倒すか倒されるか。ただそれだけの関係だ。シンプルな分、内紛や卑劣な駆け引きをする貴族世界よりも、よほど単純明快である。

 けれど。


 今回の魔王に、果たしてその方程式は通用するのだろうか。


 先代の勇者と魔王は、簡単にその公式に当てはまらなかった。

 いや。

 ――『当てはまったから』こそ。

 先代勇者であり、歴史上誰よりも魔王に、魔族に理解を示していた父は、死んだ。



〝アリスを紹介するとなると緊張してね。――気に入ってくれると良いな〟



 信じたまま、死んだ。



「……父さん……」

「勇者様!」


 物思いに沈みかけたところで、間近で上がった声に引き戻された。


「……何だよ」


 邪魔された腹立ちと、邪魔されて助かったという相反する思いからアリスが振り返ると。


「……、っ」



 息を、呑んだ。



 振り返った先に、ぱっちりと大きな瞳とぶつかり合う。

 ともすれば、吐息が唇で触れ合うほどに近い距離に、天敵であるクレスの顔がはっきりと映し出されていた。知らず、アリスもまじまじと彼女の顔を無遠慮に見つめ返してしまう。

 触れたら滑らかだろう白雪の様な肌。鼻先をかすめる彼女の匂いは、柑橘系の爽やかなもので微かに甘い。長いまつげの下から現れる磨き抜かれた紫水晶の瞳は、吸い込まれそうなほどに清らかにきらめいていた。

 そう。まるで、魔に魅入られる様な――。


「……っ」


 くらり、と。唐突に、鮮烈に、目の前が揺れる。

 彼女に。――『魔』に。

 同時にぱちり、と脳の奥で紫色の火花が強く散った。

 清冽で、どこまでも罪深い色が微笑う様に脳の奥に、心の奥に吸い込まれていき――。



〝――カー、ティウス?〟



 ――まずい。



「……、……何だ?」


 視界を遮るために瞳を閉じながら、クレスの肩を押し戻す。

 だが、彼女は自分の気も知らず、「はい!」と元気よく返事をして、あろうことか腕を取った。


「……っ、おい!」

「勇者様、行きましょう!」

「は?」


 掴んだ腕をぐいっと引っ張るクレスに、アリスは持って行かれそうな体を強引に引き戻す。

 だが、そんな抵抗で大人しくなる彼女ではない。


「私、時間がある時は、よく城下の皆さんとお話をするんです。だから、勇者様も一緒に行きましょう!」

「はあ。……って、はあ!? いや、ちょっと待て。俺は勇者で……!」

「さあ、どうぞ!」

「って、おい!」


 強引に引っ張った挙句、勢いのままに二人で茂みから広場に転がり込む様に倒れ込んだ。どたん、と派手な音が上がり、当然今まで平和に日常を過ごしていた人々の視線が一斉にこちらに向いてくる。

 魔族の頂点にいるだろう魔王と、見知らぬ男がもつれ合う様に広場に仲良く転がるこの光景。特に勇者のアリスとしては、酷い初対面だと頭を抱えたくなった。

 いや、それだけではない。



 ――こんな敵地のど真ん中で、「勇者でーす」なんてアホみたいに正体を明かしたら、どんな大惨事になるんだよ!



 心の中だけで盛大に叫んで、アリスはありったけの殺意をこめてクレスを睨む。

 だが、もちろん彼女は涼しい――を通り越して、ぽやぽやした笑顔を振りまくだけだ。下手をすると、「勇者様!」などと平然と笑顔で叫びそうである。


「みんな! ビッグニュースです!」


 アリスの心配もそよ風だ。がばりと起き上がり、右手を天高く突き上げて、クレスは高らかに宣言し始める。

 その様子に、「なんだなんだ」と民衆も興味深げに寄ってきた。ついでに、近くにいるアリスにまで好奇の視線を向けてくる。当然の成り行きだ。

 このまま勇者などと紹介されたら、一体何をされてしまうか。アリスは気が気ではなかった。

 が。


 ――いや。冷静に考えろ。彼女は仮にも、曲がりなりにも、嘘の様だが魔王だ。


 能天気とはいえ、楽観的とはいえ、感情のまま正直に生きていそうな彼女でも、魔族である同胞に、宿敵である勇者を連れてきたなどと馬鹿正直に告白したりは――。



「何と! 今日は、勇者様を連れてきました!」

「しない――って、はあっ!?」



 告白しちゃったよ、こいつ!



 能天気で楽観的で感情のまま正直に生きてきたらしいクレスは、公明正大に、馬鹿正直に、真っ向からアリスを『勇者』だと紹介した。もちろん、極上の笑顔のオプション付きである。


 ――これが目的か。


 舌打ちしながら、アリスは彼女に組まれていた腕を解いて警戒する。

 少しだけ歩み寄りを見せた時点で逃げ場を塞ぎ、一網打尽。ここならば、これほど効果的な場所は無いだろう。



「ゆうしゃ、さま?」



 子供の一人が声を上げる。途端、ざわっと周りの空気が変わった。

 当たり前の反応だ。魔王の、魔族の天敵が、いつでも己の生命を脅かす存在が目と鼻の先にいるのだ。怯えて、怒って当然だ。


 ――やはり、『魔王』か。


 一抹の何かが去来したのを握り潰し、アリスが剣の柄に手をかけようとした。

 その時。




「わああああ! 本物の勇者様だー!!」

「って、のわーっ!?」




 どすんっと、腰に猛烈な突進を受け、アリスは頭から引っくり返った。臨戦態勢を取っていたとはいえ、それだけで咄嗟にダメージが相殺できるわけもなく、背中をしたたかに打って一瞬息が詰まる。

 だが、更に畳み掛ける様にどしどしと、人という重しが雨あられと降りかかってきた。たまらず「ぐえっ」と、潰れた蛙みたいな声が漏れる。助けを求めて伸ばした一本の腕が、人の山の上に生えた形となってなかなかシュールだ。


「お、い。おり、ちょっ」

「すごーい! なかなかカッコ良いじゃん! 勇者様って、本当にカッコ良いんだね! 物語通りなんだ!」

「すっげえ! おれ感動した!」

「おい、勇者! さわらせろよ!」

「やーん、生勇者さまー!」



 ――何だ。何が起こったんだ、これは。



 蜘蛛の子を蹴散らした様な散開ではなく。

 怒りに滾らせて躍りかかってくるでもなく。

 感激のままに一斉に飛びついてきた子供達に、アリスは本格的に埋もれた。

 子供の勢いとは恐ろしい。彼らの波に抗えずにべたべたと触られ、すり寄られ、腕や腰に抱き付かれる。挙句の果てには、ようやく立ち上がった矢先に突進する様にぶら下がってくる始末で、アリスは何故かなし崩しに子供の相手をする羽目に陥った。


「あたま! あたまなでて!」

「……、あー、……ああ」

「ずるいぞ! おれもおれも!」

「なによー! あんた、勇者様のお話、いっつも話半分だったじゃない!」

「ちっげー! 生勇者だぞ!」

「生勇者さまは別なんだよ!」


 せがまれるままに頭を撫でていたら、いつの間にか争奪戦だ。

 子供の親らしき者達には「良かったわねー」とのほほんと見守られ、アリスの脳内は遂にパンクした。

 勇者が。魔族を一掃し、魔王と命運を賭ける戦を繰り広げる勇者が。

 あろうことか、魔族の子供の面倒を見ているこの光景。ミシェリアの重鎮達が目撃したら、間違いなく卒倒ものだろう。


 というより、何故彼らは勇者であるアリスを疑わないのか。


 今ここで、すぐに剣を振り回す危険性だってある。

 命を奪わない理由なんてない。現に、魔王を除けば、この一帯の魔族は簡単に討伐出来る実力も自信もアリスにはある。それは、彼らだって重々承知のはずだ。

 なのに。


「ほうほう、貴方が勇者様なのですか。生きている内にお目にかかれるとは、僥倖の至りですの」

「どうぞ、ゆっくりしていって下さいね」

「ぜひ、あたしの店に寄っていってくれよ! アクセサリー店なんだけどね、お土産にどうだい?」

「おみやげ……」


 呆然と呟きながら、アクセサリー店だという彼女の胸元に目を向ける。

 きらりと控えめに、けれど品良く主張している石は、確か世界でもかなり希少価値の高いものだ。これ幸いと、吹っかけてくるつもりだろうか。


「……ずいぶんと、貴重な宝石だな」

「――、お。わかるかい? これは、うちの一押しでね! 千で売ってあげるよ」

「一千万か?」

「はあ? そんなわけないだろう。千ゴールドでいいよ!」

「……良心的だな。他国なら、億いっても欲しがる奴が多いだろうに」

「―――――」


 ほう、と女性に目を丸くされたところでアリスは我に返る。ついつい話をつなげてしまったが、クレスや彼らのペースに巻き込まれるわけにはいかない。

 だが、突き放そうと顔を上げて、いざ口を動かそうとしても。


「それなら、こっちの店に来なさい。わし自ら手掛けた瑞々しい野菜がたくさん売っておるよ。これは、ちょっとした自慢でな」

「いーや! こっちは船で調達してきた鮮度ばつぐん! ぴっちぴちの魚が売りさー! 勇者様、どうだい、今夜の食卓に!」

「って、勇者様はお城で寝泊まりするんだから、買うわけないだろう」

「あー、そっか。じゃあ、クレス様、どうでい! おひとつ!」

「いいですね! どうですか、勇者様?」


 屈託なく笑いかけてくる魔族達が。

 自分に頭を撫でられたがって、ぶら下がってくる子供達が。

 何より、その輪の中で楽しそうに笑っている魔王が。自分の敵意を、片っ端から削いでくる。



 ――何故だ。おかしいだろう。



 光の差さない森に、何の準備もなしに放り込まれた気分をアリスは味わう。

 だって、おかしい。変だ、この国は。

 どうして、彼らは勇者である自分に笑いかけてくるのか。

 自分がどの様な理由でここを訪問しているか知ったら、きっと恐怖と悪意を向けてくるだろう。

 それなのに。

 ――なあ、どうして。



〝アリス、アリス。私はね、本当に嬉しいんだ〟



 みんな、何故笑うんだ。俺を見て、嬉しそうに。



〝だってね――〟



 どうして――。



「しかし、良かったですね、クレス様! 本物の勇者様に会いたがっていましたもんね」

「はい! 今でも実は夢なんじゃないかって思うんです!」

「じゃあ、ここにいる俺達も白昼夢見てるってことか。はっはっは! こりゃ愉快!」



 ――って、お前、どんだけ勇者の話をこいつらにしてるんだ!



 世間話として上がった話題に、アリスはひくりと頬を引きつらせる。

 ここでも『勇者に会いたかった病』を惜しげもなくばら撒いていたのかと思うと、引っくり返りたくなった。


「そうそう。聞いてください、勇者様。クレス様ってば、小さい頃からここに来ては、私たちに『勇者と魔王』の物語を話して聞かせて下さっていたんですよ」

「は……」

「えええ!? ま、待ってください! 皆さん、その話は……っ」

「毎日、『絶対勇者様に会うー!』って、宣言しまくってましたもんねえ」

「いやあ、夢が叶いましたね。言い続けてみるものなんですねえ」

「しかも、こんな美形だなんてなあ。嫁さんが浮気しないか心配だぜ!」

「あらあなた、浮気して欲しいんですか? でも、確かにもう少し若かったら……」

「あらー、じゃあ娘の私ならいけるんじゃない?」

「やめとけよ。勇者様には、クレス様くらいじゃないと」

「え! そ、そんな! あわわわ、私なんか!」

「照れてるー! クレス様、かーわいー!」


 あはは、と豪快に笑い飛ばす城下の人々に、しかしアリスは笑う気力が潰えた。勝手に魔王と恋人にしないでくれと、叱責したくてもする元気も底を尽いている。

 小さい頃から民衆に勇者の話をするとは、さぞかし変わり者な魔王だっただろう。それを、さも当然と受け止める国民も国民だ。ありえない。


 ――いや。ミシェリアでも、勇都ならありえるかもしれない。


 父の影響下で、ミシェリア国内で一番魔族に理解を示し、魔族と連絡を取るのを苦としないのは勇者の膝元だ。

 魔族が直接出入りした回数も人数も、限られはするが。

 それでも。



〝アリス。今日は、私のお友達が来るんだ〟



「―――――、……」


〝まだアリスには紹介出来ないけど。いつか、絶対紹介するから〟


 父が、まだ生きていたならば。


〝楽しみにしていてね〟


 そうしたら――。


「……馬鹿馬鹿しい」



 所詮は、夢物語だ。



「勇者様?」


 きょとんと、瞬きをしながら気遣ってくるクレス。その穢れなき瞳は、古来より人間の敵である魔王とは、到底思えぬほどに純粋で無垢な輝きだ。



〝きっと、アリスも好きになるよ〟



 何も、知らないのだろうか。

 それとも、何もかも分かった上での対応なのか。



 ――それを見極めるために。俺は、ここにいる。



 何度も心で呟いて、アリスは魔族の輪からわざと外れて近くのベンチに乱暴に腰を下ろした。



 まるで、必死に言い聞かせているかの様だ。



 そんな、もう一人の冷静な自分の警告は、気力が続く限り無視をした。


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