第8話 時代に殺される
今日
一人の天才の音楽人生が終わった
ここ数年芸能界にのさばる
不倫を
見つけて
さらして
叩く風潮
週刊誌は
自らに自信を持ちすぎているように感じる
私の尊敬するアーティストが不倫という些細なことで引退した
私はその報道を聞いて悔しさを感じた
こんなことで彼は終わっていいのか
私は心底
週刊誌
もっと言えば
それらを見世物にして叩く今の風潮が憎い
一人の才能の可能性を潰し平気な顔で
今後も人のプライベートで金を稼ぐ
彼らの仕事が憎い
芸能人にプライベートはないのか
彼らは自らのプライベートを
型にはめられ
その限りある自由の中で
日々監視されながら生きてくのが必然なのか
そんな人生何が楽しい
週刊誌の記者はストーカーと紙一重だと
私は感じる
金になるネタを探しに芸能人につきまとい
些細な不祥事のようなものを
見つけ記事にして
売り出し世間の関心を持たせ
メディアに取り上げさせ
世論を動かし
さらして
叩く
不倫とはそんなに悪いことだろうか
しかも関係ない人たちが口を挟むようなことだろうか
自分のプライベートで何をしようと
本人の自由であり
何か問題があれば当事者間のみで
話し会うべきことで
そこに他者が口を挟むべきではない
しかも今回の場合は
普段問題とされる不倫とは状況が違う
大体の不倫は相手を求める
want式の不倫だ
しかし今回の場合は
疲れ果てた私を助けてくれという
help式の不倫であると私は見ている
不倫にもさまざまな状況があるが
不倫とは簡単に言えば恋だ
精神的なものは自らの意思でどうこうできるものではない
だが世間は非常識だと常識という曖昧なものを武器に
1人の恋を非難し批判し叩き潰す
清らかであることが絶対的な善だろうか
私はそうは思わない
例えば
もしこの世から嘘がなくなり事実のみしか語れない世界になったら
世の中は格段につまらなくなるだろう
多少の嘘がスパイスとなって現実にユーモアを与えおもしろくしてるのだから
善だけで成り立つ世界など存在しない
当然
悪という風に認識されるものも存在する
日本人よもっと寛容になったらどうだ
こんな下世話な話題で盛り上がってること自体
日本人の教養が下がってる証拠のように感じる
若者がダンシングヒーローに沸いた去年
その時私は若者が80年代の風潮を羨んでるように感じた
一般論を振りかざし人を痛めつける報道は終わりを告げるべきだ
メディアは多大なネットワークを持っていながら
報道しないことが多すぎる
彼らは日本のどこかで起きた事件よりも
芸能人の下世話な話の方が
金になると思ってる
そんなことで日本のどこかで起きた悲劇を
報じないなんて
日本のメディアは自らの仕事の本質を忘れてしまったようだ
変わらければならない
そうしなければ日本人の教養はさらに下がってしまう
私は今のメディアのありかたに
これまで以上に疑問を感じた
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