これはあくまで私の意見でそれ以上でもそれ以下でもない自論たち

@Okaso

第1話 芸術的な関係

「絵を見に行ったんです」

それを彼女に話したら

作品の内容で話が弾む。

「絵を見に行ったんです」

それを友人に話したら

見に行ったことに驚かれた。

その人との関係の差でこんなにも会話に差が出る。誰しもが感じたことがあるだろう。私も感じたのだ。関係の深さというのは会話の内容によって確認ができる。なかなか興味深いことだ。

また、どれだけ下賤な会話が相手とできるかでも関係の深さが見えてくる。おもしろいものだ。だがしかし、これは目に見える交友関係の中での話だ。では他人とならどうだ。今のご時世、顔も知らない他人と友人関係になれる。顔がわからないというのは、表情が見えないということ。表情が見えないということは、相手の感情が見えないということ。私は小心者だから非常に怖い。

「絵を見に行ったんです」

顔の見えない友人に話したら

何て返ってくるだろう。

褒めてくれるだろうか?

無視されるだろうか?

興味を持ってもらえるだろうか?

それは人によるだろう。文明の発展は人のつながりを浅くし広げた。その中で新しい友人関係の形ができて人間の関係はさらにあやふやなものになった。かつては貴重だったものが今ではそうでもない。趣深く芸術的な人間関係は、今では俗世のなかでその美しさをなくした。人間が溢れるこの世の中で私は芸術的な関係性に重きをおいて生きていきたい。

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