終わりのない合図
ここにはいない「あなた」へ終わらない悪口を並び立てる。
「歯並びが悪い」とか「おでこが年々広くなってきたよ」とか。
「鼻をかんだティッシュくらいちゃんと捨てて」とか「上司の愚痴を聞いてくれるのはサボテンしかいない寂しい奴だ」とか。
意味がないなんてわかっていても、私の悪口は止まらない。
あなたに届きはしないのに、私の好きだったあなたを塗りつぶすように並べていく。
私は、待っているのだ。
さんざん悪口を言っていれば、そのうち
「聞こえているよ」
って私が一番大好きだった
呆れた顔のあなたが隣に来てくれるのを。
大ゲンカの後、女友達に電話でさんざん愚痴ってべそをかいていた、あの時みたいに。
困っているわけでも、怒っているわけでもない、あの呆れた顔で。
あなたが隣にくるのを。
さようならの恋 チロ介 @chiro_sk10
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