第165話 僕の不在の営業部

 東京虎の門にある現場は、僕がいなくなり中間の業者が入り込みマージンを支払っての仕事になったそうだ。


 営業活動をしないので下請けの職人が食べる弁当の注文がライバル業者に取られていた。


 僕が入院する前に兄にこの現場の状況を説明して、僕でないとこの現場は難しいと言うと「そんなお客はいらない」と切り捨てた。


 僕は、今回入院する前日に八たんに飲みに行っていた。


 僕は躁状態で、女将さんとたくさん話をした。


 明日から精神病院に入院する事も話し、冗談を言いこんなに喋るのは初めてだと思う。


 女将さんは七十五歳だそうだ。


 いまだに現役で仕事をしている姿を見ると頭が下がる。

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