第100話 軽率な行動

 日の出屋の配達に「ナツ」という若い女の子がバイトでいた。


 小柄で生意気な小娘だ。


 僕は、この子にアタックしようと考えていた。僕がリードしてあげれば必ず化ける、そう確信した。


 ナツは一人暮らしをしていた。付き合っている彼氏もいるようだが、奪い取れば良いのだ。


 僕は一人で、ナツの住んでいるアパートへ行った。ナツは驚いていた。僕は元々口下手だ。


 「ちょっと近くを通ったから寄ってみただけだ。何でもない。夜遅くにすまない」


 スゴスゴと帰った。


 口で上手く話せないならラブレターを書こう。僕がナツに好意を持っている事や、付き合いたい事などを書いた。


 手紙をナツに「読んで」と渡した。


 僕のこの行動は軽率だった。


 ナツは僕の親父に「この手紙は受け取れません。お返しします」そう言うと、封も切らずに渡した。


 僕がアパートへ行った事も話「いきなり来たので強姦されると思いました。恐ろしかったです」と言った。


 親父は毎日、日の出屋に遊びに来ていた。何故ナツがこんな行動と発言をしたのか理解出来なかった。


 嫌なら僕に手紙を返せば良いではないか。そうすれば僕だって身を引く。


 兄の耳にもこの件が入ると、日の出屋は騒然となった。


 強姦されると思ったと言うナツの発言が大問題になる。

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