詩
翌朝、俺たち親族は食堂で朝食を取っていた。
食堂には、祖父さまの肖像画と夏宮家の家訓が書かれている碑がある。
だいたいこんな感じだ。
1、夏宮家の家柄を汚すべからず。
2、親族同士の同棲、またそれに関わるすべての行為を禁ずる。
3、機会を逃すべからず。
4、己以外を信用してはならない。
これは祖父さまが作ったものらしい。本当にお堅い人だったんだろう、、なんか哀れみまで浮かんでくる。
家柄を気にする人だったのだろう。1個目に家柄を汚すなだからな、、
親族同士の同棲に関わること、、つまり付き合うってことか、、回りくどい言い方だな、、
親族と言っても血のつながりはないのだからいいとは思うが。
ところでこの料理、美味い!
一見普通の魚料理だが、味わいがよすぎる。上品な味で、一生食べていけるであろう味である。
「あれ、そういや親父はどこ行ったんや?」
兄貴がそう思うのはごもっともだ。
昨日俺たちを強引にこの島へ連れてきて、狂気じみた高笑いをした親父がいない。
「お父様を今朝、起こしに行ったの。何度ノックしても返事がなかったわ。
もちろん鍵はかかっていたわ。」
やれやれ、姉貴の次は親父かよ、、勘弁してくれ。そういえば姉貴はどこへ行ったのだろう。少なくともこの島にはいないはずだ。ケータイさえ通じればなあ、、
朝食を終え、食堂を出た。正直することがない。書斎にでも行こう。
兄貴たちは屋敷の周りを散歩するそうだ。
そもそもこの島、なんていう島なんだ?祖父さまのものってだけで、不気味だが。
書斎は広かった。適当にタイトルを見ていると、本の間に見慣れない手帳が挟まっていた。夏宮萬善(ばんぜん)と記されていたその手帳には、詩のようなものが書かれていた。祖父さまにポエムの趣味があったとは、、
適当にページを開いてみてみる。
どうして気づかなかったのだろう。私が殺した人のことを。
どうして気づかなかったのだろう。彼女の思いに。
どうして気づかなかったのだろう。
答えは私が探すもの。この島に想いを込めて。
たった4行の詩が恐ろしいものに感じた。見てはいけないものを見た気がして、俺はそっと手帳を閉じ、元の場所に戻した。
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