女王様とステラ
奴羅李 くらり
プロローグ
アルトノア大陸をあるニュースが駆け巡った。
"ベリル王国国王シェルブー王が亡くなった"
と。
ベリル王国はアルトノア大陸の西に位置し、海に面している豊かな国だ。
隣国との境界にはオストール山脈が横たわっており、侵入するのは難しくなっている。
また、鉱山資源も豊富で、近頃は高値で取引される宝石サフィマラが有名である。
周辺諸国はその領土を手に入れようとしていた。
そんな中でのこのニュースである。
話の火種であるベリル王国は騒然としていた。
当時国王は32歳。
最愛の王妃ルナシア様が亡くなられてから、妻は1人も娶られず、唯一のお子はルナシア様との間の第1王女、シェルナリア様しかいなかった。
そのシェルナリア様は当時齢13。
シェルブー王には弟殿下が居られたが、母方の伯爵家を継いでいたため、国王にはなれず。
弟殿下のお子はシェルナリア様よりも若い。
これでは、国が立ち行かなくなってしまう、と焦る家臣達の元に白羽の矢が立ったのは、公爵家の次男。
しかし、選択権は持ち得ていたため、次男は旅に出るためにこれを放棄。
ベリル王国は危機的状況に立たされていた。
まさか、国王がこんなに呆気なく逝ってしまわれるとは思われていなかった大臣達は焦っていた。
さて、どうしたものかと思ったとき、1人、名をあげたものがいた。
第1王女シェルナリアである。
若いながら、天才と名高い彼女は父上が築いてきた平和を守りたい、守らなければならないと奮い立った。
そして、ニュースを聞きここぞとばかりに襲ってきた周辺諸国との戦いに勝利する。
国民は彼女を祝福する。
そして、彼女は現シェルナリア女王である。
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