3-4
だがアリアは引かなかった、始めた事はやり遂げなければ状況は元の木阿弥だ。 金も策も無い、だが一つだけ見合いそうなモノを偶然手に入れていた。
どの道、それが「在る」と言う事を使うなら今しかない、アリアが考えた計画に変更を余儀なくされるが、確実性や効果を考えれば「今」使う事が最適だった。
「ただでとは申しません、相応に支払う対価を用意して御座います。」
「それは駐屯地とこの砦の間にある脅威に御座います。」
「つまらない嘘はもぉお互い充分だろぅ~?」
「ベールデナ様、物証が御座います。サール出して!」
サールはアリアから預かった、あの明け方の事件で修得した袋を差し出した。アリアは手に入れた経緯を説明する。
「赤髪族かぁ~」
その小さな呟きに、アリアはあの時に
「
「恐れながら、それは違います。我らは襲撃者は撃退しました。その後に逃走した賊を探す途中でこれを見つけたに過ぎません。」
嘘を気取られる事の無いようアリアは状況を省いて事実を述べた。
「それがお前たちの捏造で無いと言えるのか?」
アリアは控えていた頭を上げ、
「私たちが
「この者は私の郎党です。主が無力ゆえに何もしてやれませんが、死力をもって働きます故、なにとぞ便宜のお計らいの程を。」
ヘラレス、続いて郎党コーボルト達が一斉に
機嫌は今一つだが、およそ納得した
「ははは、荷物運びに死力とは気に入った!!良いねぇ~、弱者が寄り集まる姿はぁ~、いつ見ても面白い!!」
「良いだろう、赦す。その奴隷にも許可をくれてやる。だがな、飼い主が後始末する事が条件だ!!」
「問答はもう充分だ、気が変わらない内に支度して来い!」
アリアは緊張のから解放され、ガチガチに固めた身体の力を抜くために、深々と息を吐いた。
「おい、、、」
だが背後から掛かった聞き覚えのある声に、ビクリと再び身を固くする。一難去って、また一難。アリアは恐る恐る振り返って輜重隊長を見る。
上手く事を運んで
アリアは立ち上がって
「
「!?」
アリアは
「阿保面下げてないで早くしろ、
「おい、
「そこの女共、お前ら二人はこれを運べ、風呂と手洗いの備品だ。落とすなよ!」
割と大き目の木箱をアリアとレティシアは持たされた。
「感謝します、アビザル隊長。」
アリアは本心から告げた。
「聞きたい事は後で全部喋ってもらう、だがその前に一言いっておく。互いに貸しも借りも無い。良いな?」
「ああ、そうだ。ウチに居る間だけでいいから「口喧嘩」の仕方を教えてくれ。」
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