2-2
「いやぁ~、待ちかねたぜぇ~アビザル隊長。」
満足気に
アビザルって名前なんだ輜重隊長。
そう言えば
まあ、色々あったしコレはコレで良しとしよう。
アリアはそう思いながら
「狼の血筋」
驚くことに「血筋」としては
まずその強靭な体格と優れた運動能力、五感も優れ、夜の闇を見通す目も持っている。またその肉体は不死ではないが「力の神」の加護によって銀か魔術の武器でなければ傷付ける事が出来ない厄介な相手だ。
そして月の満ち欠けと結びついた身体能力の変化、別に新月だからと言って弱る訳では無い、その日が一番おとなしいと言うだけだ。
満月の下での
彼等はその外見がほとんど人と区別がつかないため、人族に紛れ込むのが容易である、だが一つだけ問題がある。
犬は
犬は
だから人族は
だが所詮は動物のやる事だ。厳しく訓練され躾けられた犬ならともかく、その日の気分か癇癪なのか?気まぐれに吠え掛かられたがゆえに、疑われ命を落とした「ただの人」は少なくない。
そしてそう言った事は判れば悪用も可能だ、
嗅覚や聴覚を狙った「犬除け」に始まり、魔術や魔薬、魔道具と言ったもので満月の呪いを限定的に制御している。
だがそれらは
男女の
「外からもモノを観よ、そして学べ。」
学んだ魔導書にそんな事が書いてあったが、アリアはその事でようやくその言葉の意味を理解したのだった。
「ベールデナ殿もお変わりなく、、、」
「オイオイ、連れないな~輜重隊長!」
「前線で激務に耐える俺達の楽しみは、定期にやって来る
「お互いの部下共はヨロシクやってるんだ、指揮官同士も仲良くしようじゃないか、な~」
アビザルはベールデナの誘いを何とか逃れようと抵抗を試みる。
「は、ですが作業の監督と明日の任務もあるので、本日の所は、、、」
シドロモドロに何とか逃げ道を探す輜重隊長を面白がるように
アリアは
出世しないタイプね。
「鬼の血筋」
自身が得意とする事で敵を屠る悦びを「満喫」するためだ。
彼等は一旦戦い始めれば勝つまで、逃げられない状況では死ぬまで戦う、降伏は無い。それが「力の神」が彼等に与えた加護なのかもしれない、支配者は彼等で部隊を組織し重要な配置を任せる。
だが亜人で野に潜んで社会を荒らす集団の多くは、
従うか、背くか。
それは扱い方もあるのだろうが、
「あの、恐れ入ります。」
「ベールデナ様、わたくしアリア・ゲラールと申します。ご挨拶をよろしいでしょうか?」
アリアは
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