神の戦

 ね、君達コーボルトは「英霊」を信じてる?


 そっか~「英霊」の話も初めてか~。


 英霊て信じる者には眷属を問わず奇跡をお与え下さるって聞いたことがあるは、もしかしたら君達も「声」を聞いたことがあるかもしれないね、そんな事があったら必ず私に教えてね、君たちの事もっと大好きになるわ!!


そう言えば駐屯地で知り合った「金髪ハンサム」の彼も「英霊」の依代シャーマンだったはね。


 「四柱目の神」も謎のままだけど、「力の神」と「調和の神」の間で勝った神が世界を完成させる「神のジャド」が始まったは。


 「力の神」は亜人ご先祖様と共に激しく攻めたけど、「調和の神」とその眷属達は耐えしのぎ、「神のジャド」は神達ミハシラの想像を超える泥沼消耗戦になっちゃたんだって、、、

 ホントは使っちゃいけないんだけどね、「原種」も戦に駆り出されて、その数を減らしたは。

 この時、世界に「原始」への「穴」が開き、塞がらなくなったのよ。


 だって「三柱の神」は喧嘩してる訳だから、戦で居なくなった「原種」は元に戻せない、、、そりゃ~そうよね。

 迷惑な話だけど「魔法マホウ」が使えるのはこの「穴」のお陰だって説もあるから、魔法マホウ使いの私としては微妙な所ね、、、


 このままではせっかく造り上げた世界シアが無くなってしまう!


 それに気が付いた「調和」と「力」の神は直接対決で決着をつける事に決めたは、世界シアの中心で行われた「決戦の地」の神話ね。

 世界の中心にあると言われてるけど、「眷属調和も力」の中でその地に辿り着いた者は居ないは、伝承では「海の彼方」とか「遥か空の上」に在って言われているけど、そこが何処か誰も知らないの。


 え?「海ってナニ?」ですって。


 う~ん、向こう岸の見えない大きな川かしら?


 しょっぱくて船と言うモノで渡るそうよ、川とはずいぶん違うそうだけど私も見た事無いの。


 そうだ!!「あの方」との新婚旅行は海にしましょ!!


 あ、ごめんね、一人で盛り上がって。

 でも貴方達も一緒に行く事に成るはずだからヨロシクね!


 話の続きなんけど、問題は結局どちらの神が勝ったか判らないって事ね!


 決戦の地で戦い続けてるとも、両者共倒れとも言われているけど、それを確かめるすべは私達「眷属」には無いの。

 この質問には「英霊」も沈黙してるって神官は言うは、「原種」なら何か知ってるかもって言われるけど、「原種」に会うって「死ぬ」のと同じらしいから結局「判らない」って事よね。


 で、どうなったかと言うと、今は「神様代理」として私達「眷属」が「神のジャド」を続けているの。

 神の加護を宿すと言っても、今の「眷属」に神話の時代ほどの力は無いの、直接対決に向かう神様に勝利を願って「眷属」自身が強力な力を神に返したと言われているは、原種の力も借りる事は出来ないし、だから私たちが戦っても世界が無くなる程ではないのよ。


 で、何だかんだで今に続くって訳ね、どう?面白かった?


 アリアはコーボルト《奴隷》達に世界シア創生神話を語って聞かせた。


 亜人デームでもヘムで一般的な物語だが、奴隷市場で引き取った彼等コーボルトは、そんな知識すら持ち合わせておらず、アリアの話に手に持った夕食の匙を動かすことも忘れ、聞き入った。

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