人外達の冒険記!
しょこら
1章 とある4人の旅人
1.1
ある村でのこと。
4人の旅人が酒場で身を休めて(?)いた。
「あー、平和!くっそ平和!なんなんだよここつまんねーはよ次行こ」
彼は、赤い目と背中に背負った
炎属性のガン攻め担当兼、この4人のリーダー。
「マジそれな。でもさ、リーダー?ちょーっとくらい休んでもいいかと思うんだ。」
彼女は、オレンジ色の目と腰元にぶらさがっている飛び道具やアイテムがなんか強そうな“ニルア”。
雷属性の攻撃&サポート担当。一応サブリーダー。
「ここ3日間歩き詰めで…私疲れ、てると思ったか!フハハハハまだまだいけるわ!」
そしてこいつが青い目と刀と謎テンションの“スター”。
水属性の魔法攻撃担当。刀は家宝の“
「えぇ、わたし疲れた…2人は元気でいいね。それと、せめて宿で一泊させてほしい」
この方が女神と崇められる、若草色の目と神々しい杖装備の“
疾風属性の回復担当。物理的な傷だけでなく心も癒す。
一見すると、普通の旅人とさし変わりないこの4人組。
しかし、じつは全員人間ではなかった。
しょこらはドラゴン。(自称)魔界出身。実のところは、火山に住んでいたという噂はある。
ニルアは鳥。しかも、ただの鳥ではなく天界から来た神獣の一種、“ニルヴァード”というものらしい。
スターは人魚。遠い海の底から来た。人魚一族の中でも、ずば抜けて魔力が強い。
柚猫は名前の通り猫。森に住む普通の猫だったが、毎日森の世話をしていたら森の妖精に力を授かり、魔法を習得した。らしい。
全員が人間に化けることができているおかげで、こうして人間の施設も利用できる。
そうして街をゆき村をゆき海を渡り時には凶暴化している魔物を倒し…
「3日間歩き詰めっつったって、疲れたんだったってよー、隣の村からこの村まで、道に迷うわ魔物にボコボコにされるわで、時間かかって。
僕らの弱さがよーく解りますねぇ?」
「ぐぅ…で、でもさ、それはリーダーもでしょ!?」
冒険する、という夢を持っていた。あくまでも夢でしかないのだが。
ここは、平和なタトシュ地方。
魔物は比較的弱く、緑も多く、かなり落ち着いた、安定している地。
ここから旅を始めようとしていた。
ところが、数日前の大地震で、魔物は増え、強くなり、道も崩れ…
おかげでこのザマだ。
「しょこら、ニルア、けんかしないで…ね?」
「そーだそーだ!まとめ役が揉めててどーするの!」
「あー、そう、だよな…」
「ごめん…」
と、早速これが柚猫の力だ。
「しゃーねー、宿泊まって、明日出発するか。宿泊まったら金無くなるけど、文句ねーな?」
「無いからはよ休ませろうちは疲れてんだ」
そして、何かと落ち着きがない4人の人外の物語が、やっとのことで始まろうとしていた。
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