第2話 ぽろぽろ涙が

 ――結婚十年目で、大事件が。


 ごめんなさい。

 私の指輪、うちの中でなくしたみたい。

 ぽろぽろぽろぽろ泣いた。


 俺には、直ぐには無理だけどさ。

 又、マリッジリングを買うよ。

 指輪で別れたくない。

 俺たちの方が、大切だよ。


 とても申し訳なかった。

 ずっと連れ添うからとのあなたの声にうなずいた。


 切なくなって、泣きながら。

 あなたの胸に包まれた。


 私の引っ越しが多くて、生活も大変だったね。

 その時は、東京にいたっけ。


 東京のジュエリーショップは、秋田とは違い、キラキラとしていた。

 でも、なくした指輪とは、比べたくなかった。

 愛に重さはないから。

 秋田も東京も変わらないよ。


 それになにより、あなたの想いの方が、輝いていたよ。


 胸が締め付けられたわ。

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