少年の声（SS版) 第一部・進む声

第15話

ー演劇部 部室ー

銀次郎

失礼しまーす。

浜谷

失礼します。

田畑

おっ、来たな期待の新人達よ。

川鳥

あと10分くらいしたらミーティングやるからなー。

煮蔵

よお浜谷、銀次郎

この前の公演会上手くいったな〜。

銀次郎

おう、そうだな。

清宮以外は全員脇役だけどなー。

浜谷

まあそういうなって。

銀次郎

それにしても清宮は凄いよなぁ。

入部してすぐに重要な役で出るんだもんなぁ。

清宮

・・・別にそんなに凄い事じゃないし。

浜谷

いや、充分凄い事だと思うぞ。

なあ小坂？

小坂

うん、並の人じゃできないよ・・・。

浜谷

だよな。

清宮

・・・ありがと。

田畑

よーっし！

ミーティングやるぞー。

一同集まれー。

ワラワラ

田畑

先週やった公演会なんだけど、ウチがやったやつなかなか好評らしかったよー。

特に意見が多かったのは清宮の演技だな。

まだ入部したばっかりなのに緊張せずによくやったぞ。

清宮

・・・どうも。

浜谷

『先週複数の高校で劇を披露する公演会で、ウチの高校が出た。俺たち一年生は一般人Aとかそこまで重要な役では出なかった。清宮を除いては。清宮はかなり重要な役で出たのだが、緊張の顔は見せずに堂々とやっていた。中学でやっていたとはいえここまでやれるとは知らなかった。』

田畑

先週公演会をやったばかりだけど、来月また劇をやる事になった。

今度は近所の華比良（はなひら）幼稚園で公演を行うから、また役などを決める話し合いをするからな。

清宮

話し合い？

どうせ使えない奴は出さないくせに・・・。

浜谷

・・・清宮？

田畑

・・・。