第9話

ー部室ー


浜谷

(台本は全部読み込んだけれど、内容が結構生々しいな)


浜谷

(なんか、昔の事を思い出しそうだな)


ーお前って本当やさしいよなぁ浜谷君よー


浜谷

くそっ。


銀次郎

ん?どうかしたか浜谷?


浜谷

えっ?

いや、なんでもないよ。


銀次郎

・・・ならいいけどよ。


浜谷

(いかんいかん。集中しないとな。)


清宮

今から通しでやるけど、皆台本は覚えて来たわよね?


浜谷

おう。


銀次郎

おうよ。


煮蔵

おう!


小坂

はっ、はい!



ー数時間後ー


田畑

じゃあ今日は終わり!

解散!


銀次郎

帰るか〜。


小坂

うん!


浜谷

・・・おう。


銀次郎

・・・。



銀次郎

段々台本を読まなくてもできるようになったな!


小坂

うん。少しずつだけど上手くなってきたような気がするし!


銀次郎

お前もそう思うだろ浜谷?


浜谷

お、おう。そうだな・・・。


浜谷

(順調に出来てるはずなんだが、劇にのめり込む度に昔の事を思い出してしまう・・・。)


ー オラァ もう一発! ー


浜谷

・・・。



テクテクテク


銀次郎

あぁ!

腹減った。早く家に帰りてぇ!


小坂

今日いつもより長くやったからね。

でもそんなに練習やった感じしないなぁ。

それほど一生懸命にやったって事なのかなぁ。


銀次郎

そうだなぁ。


浜谷

・・・。



テクテクテク



浜谷

・・・!


浜谷

(ここは・・・。)



ー無理しないでー



浜谷

(俺が倒れた所・・・)



浜谷

ボーッ



銀次郎

どうした浜谷?

何ボーッとしてんだ!?


小坂

浜谷君!

大丈夫?


浜谷

・・・。


銀次郎

おい!

浜谷!!


浜谷

あれ・・・俺・・・。


銀次郎

お前練習中の時もだったけど、どうしたんだ浜谷!何かあったのか!?


浜谷

いや・・・何でもないよ。


銀次郎

何でもなくねーだろ!

ちゃんと説明しろ!


浜谷

・・・・・・。





ー俺は中学の頃の話を銀次郎と小坂に言ったー


銀次郎

はぁ!?

何だその話!

浜谷可哀想すぎるだろ!!


小坂

そんな・・・ひどい・・・。


浜谷

まあ、元はと言えば俺がやめさせようとして起こったことだし、自業自得っていうか・・・。


銀次郎

お前は何にも悪くねーだろ!!

いじめた奴らが全部悪いだろうが!


小坂

そうだよ!

浜谷君は自分を責める必要はないよ。


浜谷

・・・。


浜谷

もっとお前らとは早くに会っていたかったよ。そうすれば自分を責める事はなかったのにな・・・。


銀次郎

・・・。




小坂

もう会っているよ・・・。

浜谷君とは。



浜谷

・・・・・・えっ?


















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