少年の声(SS版) 第一部・進む声 

矢野 優希

第1章浜谷編

その声

第1話

ー2014年、4月初旬ー


バレー部員

「そこの君ちょっといいかい?」


浜谷(はまや)

コクリ


バレー部員

「君うちの部員にならないかい?」


浜谷

「・・・」


浜谷

「運動部はちょっと・・・」


バレー部員

「あれ・・・今の君の声かい?」


浜谷

「そうですが?」


バレー部員

「やっぱり君の声か!

違う人の声かと思ったよ。

可愛い顔してなかなかの渋い声じゃないか!」


浜谷

「・・・どうも」


バレー部員

「君がいたなら声かけのクオリティが上がるな!どうだいうちに来ないかい?」


浜谷

「遠慮しておきます・・・(何だその理由)」


バレー部員

「そうか・・・まあ気が向いたら

いつでも入部しなよ 。

待ってるから! 」


浜谷

「あっ・・・」



浜谷

『俺の名前は浜谷智春(はまや ともはる)。

茅咲(ちさき)高校の一年生だ。中三の頃にある出来事がきっかけで異常に声が低くなってしまった。そのせいでちょっと話をするだけで周りがどよめくのだ』


浜谷

「ああ・・・何でこんな目に遭うんだろうか・・・」


田畑

「それは私と出会うためだ・・・ なんてね」


浜谷(はまや)の前に現れたのは容姿が整ったショーカットの金髪の女子だった。


浜谷

「あなたは・・・?」


田畑

「私の名前は田畑 類 (たばた るい)。演劇部の部長をやっているんだ」


浜谷

「演劇部・・・」


田畑

「君、ウチの部活に入らない? 君が必要なんだ」


浜谷

「俺が必要? 何でですか?」


田畑

「君の低い声なら立派なナレーター になると思うからさ」


浜谷

「ナレーターですか・・・」


田畑

「そう! ナレーターさ。 一流のナレーターの一因は 声の良さだと思うんだよね 。もちろんテクニックとか、話し方も必要だけどさ」


浜谷

「でも俺なんかじゃ・・・」


田畑

「そんなのやってみないとわからないじゃないか? とにかく体験入部だけでもさ。 部室においでよ。じゃあ待ってるよー」


浜谷

「あっ、ちょっと・・・行っちゃった。 俺なんかにできるもんかねぇ」

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