第2話  2番目以降の『鈴木』達

第2話

2番目以降の『鈴木』達


諸説ある中で、こんな話を聞いた事あるだろうか・・・

“ 学校や会社の鈴木は、思った以上にいない説 ”


全国1位という印象だけで実績のないという現実の中、生活しなくてはならない『鈴木』は、必ず思うことがある。

というか、様々な状況下の中、団体生活をするうえで、ほぼ確実に、まず最初に確認する事がある。

それは・・・

学生では自分のクラスに、会社では同じ部署に、『鈴木』という名字を持つ者が他にあと何人いるのか?ということである。


なぜそこまで気にするかと思う人もいるだろう。

しかし、現実の出来事として思い出して欲しい。

田中や佐藤が2,3人いたとしてもさほど気にされないのだが、鈴木が2人以上いると、何故か面倒がられてしまう現実を!

何故、『鈴木』だけが2人以上いてはいけないのか?!

これは、生命や宇宙の起源に匹敵するほどの難題である。


そして、2人以上いる場合、必ず行われる屈辱的な行為がある。

それは・・・

なんと・・・

2人目以降の『鈴木』は、決して、絶対に、天地がひっくり返ったとしても、『鈴木』で呼ばれる事がない!!!


そう!!

2人目以降の『鈴木』は必ず下の名前で呼ばれるのだ。

学校で出席をとる際、当たり前だが出席番号順に名前が呼ばれる。

そうすると、必ず、『鈴木』、「かずま」、「しょうた」、「ようすけ」・・・


何故最初の『鈴木』だけが『鈴木』として生きる事を許されるのか?!

そう、2人目以降の『鈴木』は『鈴木』ではなくなってしまうのである。

会社であっても、先輩や先にその部署の配属された『鈴木』以外の『鈴木』は、『鈴木』ではなく下の名前で呼ばれてしまう。

初めて話す知らない人や、あまり好意を持っていない相手からだとしても、バシバシ“ファーストネーム”で呼ばれてしまうのだ。

何故だろう・・・・


挙げ句の果ては、『鈴木』で男女一人ずつの場合に、『男の鈴木』・『女の鈴木』で分けられてしまう。

さて、この現状をどう感じたであろうか?

さぁ、全国の『鈴木』以外の名字を持つ者達よ!!

是非、鈴木がいたら『鈴木』、もしくは『鈴木さん』と呼んでください!!

案外喜ばれます。


だって・・・

だってだって・・・

『鈴木』なのに『鈴木』と呼ばれる事が、極端に少ないのだから(涙)

これは、改めて自分が『鈴木』だったんだと実感する瞬間なのです。

ちなみに、2人以上の田中や佐藤は、全員がそのまま『田中』・『佐藤』、もしくは初めから全員を下の名前で呼ばれている事が多いが、これも何故だろう?


そういえば、『鈴木』の名字を持つ者達の、あだ名が少ない事も関係しているのだろうか・・・


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