第9話 新しい治療法数々

とはいえ、京都大学山中教授のiPS細胞によるノーベル賞受賞以来、難病に関する医療の進歩は目覚ましく様々な研究機関や大学において、治療法や治療薬の開発中であります。

難病患者としては、期待せざるを得ません。

しかし、中にはどうしてもとんちんかんになってしまうものもあります。

例えば、リハビリ用にはじめて承認された身体装着ロボットのHALですが、病院内でのリハビリでしか使えません。

自宅で使えないならと、自然、患者は敬遠します。

病院では、患者が希望しないものを購入できませんよね。

HALが、実際に威力を発揮できるのは、極めて初期の運動ニューロン病だけという状態です。

極めて初期の運動ニューロン病と言っても運動ニューロン系神経難病の診断は、非常に難しく、専門医は少ない上に、役所による難病の認定は3ヶ月は当たり前にかかっています。

3ヶ月かかれば、極めて初期の状態ではなくなってしまう確率もあります。

そう、運動ニューロン病はそのほとんどが進行性である上に、個人差が極めて大きく、進行の遅い患者であれば間に合っても、進行の早い患者なら間に合わないのである。

運動ニューロンですのほとんどは極めて患者数が少ない希少病。

その上、極めて初期の患者にしか意味をなさない認可。

つまりは、ロボットの開発者と厚生労働省の担当者の調査不足ゆえに起こったとんちんかん状態なのですが、最初の承認から1年以上経った現在でも、まだ是正されていません。

実際の神経難病リハビリでは、興味すら薄れています。

いくつかの対処法が、実際には使い物にならなくて、患者は期待と諦めを繰り返しながら人生の終焉を迎え入れています。

大多数の患者が合併症を死因とされるため難病が世間的に認知され難い原因になっているものと考えられます。

難病という病気があることは、日本人なら知ってはいます。

しかし、難病の種類や病状を知る人は極めて少ないでしょう。

医師や看護師等の、医療最高位の方々ですらまだまだ認知されていないようです。

難病の患者の立場からサポートを受けると、看護師さんやヘルパーさん、はたまた様々な介護業界の方々には不安を感じざるを得ません。

公立病院等の介護職の方々と比較して、あからさまにいい加減なのです。

給与問題等、様々な問題を抱える介護の業界ですが、人材が少ないことも問題であります。

これから先、介護の業界も、人数だけ揃えればということはなくさなければならない。

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