134冊目 web再録に思うこと

 どうも、吾輩です。

 深く考えると頭の痛い問題。


 そもそもweb再録とは何なのか。男性向け女性向け問わずよく見かける言葉なのだが、2種類の意味を持つ。そしてその意味は、見事に正反対なのだ。


 まずは、web上(※1)で公開していた作品を紙の同人誌にして頒布すること。書き下ろしのおまけが収録されることもままある。

 ファン側のメリットとしては、紙の本というコレクション性のあるものになることと、万一その作者が作品をネットから取り下げても読むことができるという安心感がある。


 次に、過去に紙の同人誌として発行したものを、web上で公開すること。完売した、通販非対応だった等の理由で読めなかった本が読めること、またweb再録は無料公開が多いので単純にそれもファンのメリットとなる。


 吾輩はいま後者のweb再録でいささか悩んでいる。

 拙作「ひとり舞台は晴れ舞台」で申し上げたと思うが、突貫工事で小説のコピー本を作った。久々のやおい小説であり、なかなかの出来と自負している。

 こいつをネットにばらまくかどうかだ。


 無論、すぐにはしない。

 というのも発行間もなく無料公開しては有料で購入してくれた方に悪いではないか。

 作者にもよるが、多くのweb再録作品は「完売して再販の予定がないので」「発行から1年以上経ったので」といったふうに販売から時間が立った状態で公開されている。

 拙作も公開するとしたら半年~1年後くらいになるとは思うのだが、そもそも公開するかどうかを今から悩んでいる。


 恥ずかしいのだ。


 これほど恥知らずなエッセイを書き、エロ同人を書いていると公言し、pixivに要修正のイラストをアップしている吾輩が言うのもなんだが恥ずかしい。やおいではあるがエロではない。たぶん。

 なぜこんなに恥ずかしいのかといえば、その作品がエモさ(※2)のかたまりだからであろう。文体といい登場人物の関係性といい終わり方といいあれはひどかった(自画自賛)。


 ポリシーとかそういうんじゃなくて、こんなアホな理由でweb再録しない人もいるよという回。


※1 web上

 pixivなどのSNSや、自分のホームページ、ブログが代表格。 


※2 エモい

 感情に訴えかけてくるもの。萌えとも尊いとも違う。案外、もののあはれ的なものかもしれない。つまりよくわからない。

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