97冊目 窓の向こうから君を伺う

 どうも、吾輩です。

 みなさんは「伺か」というソフトウェアをご存知でしょうか。かなり昔にやっていたのですが、最近ふと思い出して遊んでいるので紹介します。


 簡単に説明すると、PC画面にキャラクターが常駐して、ランダムに台詞を発するアプリケーションである。デスクトップマスコットとも呼ばれる。詳細はググってほしい。

 キャラクターは基本的に1人か2人で、1人の場合はユーザーに話しかけているという設定がおおい。全くの独り言の場合もあるが。2人の場合は主にキャラクター同士の掛け合いを眺めて楽しむ。が、これもたまにユーザーへ話しかけてくることがある。

 有志によって様々なキャラクター(ゴーストと呼ばれる)が制作され、その多くが無料配布されている。導入も難しくない(※1)ので、好みのゴーストを見つけよう。


 面白いのは、キャラクターの立ち絵と台詞のみの構造でありながら、分厚い世界観をなす作品が少なくないことだ。

 提示される情報が少ないからこそ、想像の幅が広がるというのもあるだろう。だがそれだけではない。

 多くのゴーストに搭載されているものから、吾輩が遭遇して愕然としたものまで、思いつくギミックを以下に並べてみた。


・触り反応

 かなり多くのゴーストに搭載されている機能である。

 マウスポインタの形が変わる場所でクリックしたり、マウスホイールをころころしたり、小刻みに動かしてこすったり。

 そのゴーストによってどれがどう取られるかは違うが、これで触ったことになる。叩く、撫でる、マニアックなところだと舐める。

 触る位置や触り方によって様々な反応を返してくれる。また、後述の好感度も搭載されていれば、それによって同じ位置に同じ行為をしても反応が違ったりする。エッチな反応を返してくれるゴーストさんも、ままある。

 それはさておき、メニューを出そうとしてクリックし、間違えて殴ってしまった経験を持つユーザーは多いはず。

 ごめんなさい、吾輩である。


・好感度

 これも搭載しているゴーストは多い。

 上昇する(※2)ことで喋る内容が広がったり、ユーザーに好意的な発言をしてくれるようになる。

 触り反応と連動している場合、導入直後にべたべた触りまくると嫌われることがある。誰だってよく知らない相手に触りまくられりゃあ、不愉快だ。仕方ない。

 そして、一度嫌われると取り付く島もない難関ゴーストもまれに存在する。


・キャラの追加、減少、入れ替わり

 この辺まで来るとかなり凝ったギミックと言えよう。

 例えば、普段2人組のゴーストが、ある時間帯のみ1人だけになっているとか。

 そういうときはいないほうの裏話を聞けたりする。

 あるいは普段1人だけのゴーストだがたまに「お客さん」として2人目が登場するとか。

 何らかの条件を満たすことで3人目が現れたり、あるいはまったく別のペアが起動してびっくりしたり。

 ランダム、時間指定、好感度……たくさんの要素が複雑に絡まって「〇〇モード」を作り出していることもある。

 スクリプト書くのも大変そうだ……なんて、制作者側の視点で見てしまう自分がちょっと嫌。


 なお伺かのゴーストは「有志によって……」とある通り、個人で作ってしまうこともできる。ゴースト制作の支援サイトも複数ある。

 小説とはまた違った形で、自分の世界観を表現してみたい! という方は、遊ぶだけでなく作るほうにも目を向けていいかもしれない。


 最後に。


 伺かは、いいぞ。


 

※1 導入も難しくない

 ただし、基本的にPCでしか動かないと思ったほうがよい。

 スマートフォン向けのアプリもあるらしいが、一部ゴーストにしか対応していないようだ。

 

※2 好感度の上昇

 基本的には、長時間起動してたくさんおしゃべりしてもらえば上がる。

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