82冊目 言葉の壁は高くそびえて


 どうも、吾輩です。

 海外でも801文化があると聞き及んでいますが、そういうワールドワイドな話ではありません。

 単純明快、用語の問題。


 直近だと前々回くらいに「任侠ソシャゲにハマっている」話をしたと思うが、それ以前にも過去に何度か「任侠ものを書きたい!」という衝動に駆られたことがある。

 だが、書かなかった。

 なぜか。


 用語がわからないからである。


 吾輩の持つヤクザ語彙といえば

・チャカ

・ワッパ(※1)

・ドス

・シマ

・シノギ

 くらいである。

 つまり「任侠ものに興味ない人」とたいして変わらないレベルの語彙しかないのだ。


 あとはちゃんとした任侠ものに触れていないことも大きい。変化球作品ばかり食い荒らしてきたので、何が正しくて何がおかしいのかよくわからないのである。


 他に「書く側」として言葉の壁を感じる作品では、時代物があげられる。時代物は、かたかながつかえないのがしんどい。中でも最上級に困難なのは遊郭ものだ。

 ありんす国の言葉は非常に込み入っていて、なにがなにやら……という感じである。

 これを書けるレベルを身に着けるには遊郭ものをたくさん読む必要があると思うのだが、時代によっては「ありんす言葉」ば廃れきっていて、遊女もけっこう蓮っ葉な口をきいている作品も少なくない。

 どれが正しくてどれが違うんだ! と、頭を抱えること請け合いである。ご親切にも、ありんす言葉の解説などもネット上には転がっていたりするが、それですべての会話(一人称なら地の文まで!)をカバーすることは困難を極める。


 日本人に生まれたはずなのに、日本語でうんうんうなっているようでは処置なしである。

 書きたいもの、そうでないもの問わず、興味のある分野の語彙をバリバリ増やしていかなければならねえと感じる今日この頃。

 本日はこの辺で。


※1 ワッパ 

 手錠のこと。逮捕されることを「ワッパをかけられる」等と表現する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る