55冊目 あれもこれも元ネタ
どうも、吾輩です。
一次創作をするときも、けっこう元ネタありきでやってます。
仮面ライダーを観たら特撮風ヒーローを書きたくなり、デモンベインをプレイすればクトゥルフものを書きたくなる。井上雅彦(※1)を読めば意味深耽美を書きたくなり、菊地秀行(※2)ならチート同士の能力バトルを書きたくなるし、中島らも(※3)なら独特の無常感を自分で綴ってみたくもなる。
さすがにまるっと拝借すると「パクリ」になってしまうので一部だけ拝借する。
雰囲気であるとか、モチーフであるとか……キャラクターであるとか。
例えば拙作「英雄たちの舞台裏」の主要人物は全員とある特撮番組のキャラクターを元ネタとしている。だが「設定作っているときの勢い」と「本編書いているときのノリ」であまり原形をとどめていない(ような気がする)。
他にも歴史上の人物をモデルにしてみたり、すでに使い回され放題のキャラ(※4)に自分も手をつけてみたり。
ひどいものになると「最初は二次創作しようと思ったけど独自設定と捏造を盛りすぎて別人になったから、いっそもっと盛って自キャラにしよう」という経緯のキャラもいる。
メインキャラとして動かせるキャラクターは、元ネタがないほうが少ないくらいである。特定の元ネタが存在しなくとも、テンプレート的キャラ(ひょんなことから異常な環境に放り込まれる一般人など)であることがままある。
真の独創性などもはや存在しない説をしみじみと感じる。そこまで真面目に独創性探究したことはないが。
また特定元ネタ縛りの作品を書いてみても面白そうではあるが、己が長編に不向きなのは痛いほど思い知っているし……さて。
なんでもいいから何か作品を作れという話ではあるが。
※1 井上雅彦
幻想怪奇小説を多く発表している小説家。異形コレクション(※5)の編集者としてもホラー者の間では有名。
コメディ調のものや実在のホラー映画等を扱ったマニアックなものなど、作風は幅広い。幻想的過ぎて理解不可能な作品もある。
名前が似ているのでたまに混同されるが、漫画家ではない。
※2 菊地秀行
エロス&バイオレンスに満ち溢れた作品を多く発表している小説家。「魔界都市シリーズ」「吸血鬼ハンターD」あたりはご存知の方も多いだろう。
バトルものの場合、とにかくみんなチート。殺しても死なない。
クトゥルフに料理で挑む怪作「妖神グルメ」の作者はこの人。
※3 中島らも
エッセイスト、小説家。
思い入れが深すぎて多くを語れない。
吾輩はこの人の命日には潰れるまで酒を呑むことにしている。
※4 使い回され放題のキャラ
ドラキュラ伯爵とか。
※5 異形コレクション
井上雅彦が監修する怪奇小説アンソロジー。外伝的なものも含めれば50巻以上刊行されており、大御所から新人まで様々な作家の怪奇短編が楽しめる。
毎号テーマが決まっており、好きなテーマだけつまみ食いしても楽しい。
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