50冊目 中二ハンドルは何処へ

 どうも、吾輩です。

 このところ、中二病大爆発なハンドルネームの方を見なくなった気がします。

 気のせいでしょうか。


 吾輩がインターネット環境を手に入れた当初、二次創作界隈は中二ハンドルにあふれていた。具体的に言うと「やたら難しい漢字や邪悪な雰囲気の漢字を並べた名前」である。

 どうも最近はみんなわりあい無難な名前ばかりで(読みやすくて有難いのだが)、いったいどうしたことだろう。検索するジャンルが被っていないだけなのかもしれないが「おわぁ……」と腰の引ける中二ハンドルに出会うことは稀になった。「†(※1)」も久しく見ていない。


 中二ハンドルの威力はすごい。

 特に身近な人ならなおさらだ。

 吾輩は高校生当時文芸部に入っていた。部誌に作品を発表する際はペンネームでも本名でもいいということで、吾輩も中二爆発なペンネームを使っていたがそれを上回る猛者が後輩にいた。さすがに彼の名誉のために詳細は伏せるが、苗字名前合わせて漢字6字、全体的に画数が多かったことを記載しておく。

 本人も思うところがあったのか翌年にペンネームを変えた。いくらかおとなしめの奴に。だが画数は多くても口触りは柔らかだったので、吾輩をはじめとする彼の先輩は、皆当初のペンネームで呼んでいた。今、彼の当初のペンネームはフルネームで思い出せるのだが、変更後のペンネームも、それどころか本名も思い出せない。

 申し訳ない。


 あまり他人の話ばかりしても失礼なので、自分の話もする。失礼さの度合いが減るわけではないが、吾輩の罪悪感が減る。

 高校生当時、吾輩は文芸部のペンネームとは別にハンドルネームを持っていた。漢字は3字だが、1字は中二御用達の難しくて強そうな字、1字は常用外のカッコいい字(同じ読み、意味の常用漢字は別にある)、1字は画数こそ控えめだったが、人名用の特殊読みを用いたガチガチの中二ハンドルであった。

 恐ろしいことに吾輩はその名前で二次創作サイトを運営していたことがある。Twitterがなくて本当に良かった。あの頃の黒歴史が残っていたらと思うと眠れなくなりそうだ。

 たまに思い出して怖くなり、ググる。

 幸い、吾輩の黒歴史が検索に引っかかったことはまだ、ない。


 みなさんも黒歴史は厳重に消しましょうね!

 というところで今回は締め。


※1 †

 「ダガー」と入力すると出る。

 十字架っぽいのがいいのか、中二ハンドルのさらに両脇をこれで固める人が続出した。

 他にも各種記号が使われたが、やはり中二感で†に勝る記号はない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る