28冊目 先入観はもはや洗脳
どうも、吾輩です。
作品には前情報というものがあります。
その前情報の受け取るルートや内容によって、作品の観方、ひいては萌え方さえ左右されてしまうことも、ままあるのです。
文庫1冊、漫画2,3巻程度の短い作品の場合、気になれば深く考えずに買って試してみられるけれども、ある程度長さのある作品だとそうはいかない。「ハズレ」に当たれば、金と時間を吸われることになるからだ。
もっともハズレを自ら好んで探し出し、ハズレ具合に喜ぶという文化も一部界隈ではあるのだが……。
閑話休題。
まず、何らかの経路で作品を知って興味を持った場合、今はネットがあるのだから、それで評判について調べる人も多かろう。Wikipediaが便利だが、個人のブログなどから情報を拾うのも独自の視点が垣間見えて面白い。作品によっては、2ちゃんねるに専スレが立っているかもしれない。
ネタバレを恐れなければ、そういた場所を泳ぎ回って情報を得るのも楽しい。
問題は……私情を挟みがちな場所で拾う情報である。
その情報を発信した人物の観方に、引きずられてしまうのだ。この引きずられは意識できる場合もあれば無意識に連れていかれる場合もあるので、要注意。
例えば興味のある作品の情報収集をしていて、腐女子さんのブログに突き当たったとしよう。そこで「A×Bが萌え」であることと、その理由が公式の展開に絡めてガッツリ綴られていたとしよう。
これは引きずられる。
該当作品を視聴した時にきっと「A×B」を前提に考えてしまうこと請け合いだ。この手の記事や書き込みに複数当たっていればなおのこと。敏感な人の場合「何話でBくんがおにぎり食べてるのはかわいかった」程度の記述で「そっか、Bくんはかわいいキャラなんだ!」というフィルターをかけてしまうことになる。
こうなってしまったが最後、Bくんがどんなに乱暴にふるまい、残虐に戦ったとしても「ああ、Bくんが敵を惨殺している。かわいいなあ」としか認識できなくなってしまうのである。もはや洗脳だ。セルフ洗脳。
かくいう吾輩も前情報によるセルフ洗脳を己に施してしまった経験が少なからずある。
とにかく好きな作品の情報がほしい一心で、まだ触りしか見ていない作品の情報を求めすぎたのである。
不幸なことに吾輩が足を踏み入れたのは2ちゃんねるであった。
だが、一般向けの板だった。
だが、一般向けの板にも関わらず……あったのだ。それっぽい記述が。
「ゾル大佐、一文字(※)のこと好きすぎw」
この程度の書き込みであったように思う。
だが吾輩はそこで「大佐殿は2号ライダーがお好き」というフィルターをかけてしまった。
なお、腐女子のフィルターは、外すのが不可能とは言わないが困難である。
その結果、完全にそのCP(大佐→一文字)前提で原作を視聴することとなった。
そうすると、そう見えてきて仕方ない。
一文字さんがショッカーに捕まってしまう回はヤヴァイ。公式で顎クイである。そのうえ名前呼び(※2)である。
ヤヴァイ(2回目)。
それに加えて、ゾル大佐の容姿が吾輩の好みに恐ろしいほど合致していたことも拍車をかけた。
付き合っちゃえよ、お前ら……!
そんな気持ちでいっぱいになりながら大佐編を視聴していた。
事前情報なしで見始めたら、いくら大佐が好みだと言えども、一文字さんとのCPに至ったかはわからない。
事前情報、怖い。
※1 一文字
2号ライダー、一文字隼人をさす。
本郷に比べて飄々としている印象。「技の1号」「力の2号」と呼ばれているため純粋な肉体スペックでは彼が上なのかも。
※2 名前呼び
悪の組織が仮面ライダーを呼ぶ場合「仮面ライダー〇〇」かもっと略して単に「ライダー」、人間の名前を呼ぶ際はフルネームで呼ぶことが多い(気がする)。
にもかかわらず大佐は監禁中「隼人」呼びであった。
腐女子としてはかなりポイントが高い。
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