3冊目 砂漠からの呼び声

 どうも、吾輩です。

 身内で、ある特定の条件を満たすジャンルを「砂漠」と読んでおります。

 吾輩は常に砂漠の民です。

 

 前回も自分語りになった途端丁寧語が取れてしまったのでその方向性で行こう。うむ。これで良し。

 

 そもそもは現在かなりメジャーな用語となった「沼」にひっかけたものである。説明させていただくと、特定ジャンルにどっぷりはまってしまうことを(ジャンル名)沼に落ちた、と表現するのである。冒険映画の底なし沼を想像して頂きたい。圧倒的な萌えにより自分の意志ではジャンルから抜け出せない状態を、そのような「沼」に足を取られることに引っ掛けて「沼に落ちた」と言う。のだと思う。

 

 底なし沼や毒の沼地に代表されるマイナスイメージからか、二次創作の供給が少ないマイナージャンル者が、いくらでも供給がある巨大ジャンルを「お前らがいるのは沼じゃねえ! スパリゾートだろうが!」との自虐交じりにやっかむこともある。

 

 さて、砂漠である。

 これは「供給という水が極端に少ない」という状況をさす。あくまで身内で使っている言葉なので一般的ではない。一般オタク用語として存在するのかググってみたが、それらしいものはヒットしなかった。

 きっかけはいつもマイナージャンルにハマって供給のなさを嘆く吾輩を見てきた友人の

 

「なんでわざわざ砂漠に咲こうとするの?」

 

 という詩的な表現の疑問である。

 

 吾輩もできれば桃源郷に住みたい。「pixivに推しの作品多すぎて選別しにくい」とか言ってみたいし、「推しの同人誌多すぎて破産する」とか言ってみたい。Twitterで推しCPを検索かけたら山のように神イラストがアップされていて追いかけきれないような状況になってみたい。

 

 だが吾輩はそのような楽園とは程遠い砂漠に棲んでいるのである。ハマるジャンル、すべて砂漠なのだ。例えば極端に古い作品であったり(※1)、男性向けエロゲだったり(※2)、数巻で完結するラノベだったり(※3)。

 実はごくごく短期間ながらメジャージャンルに住んでいたこともあるのですが、その話はまたの機会に。

 


※1 古い作品の場合

 供給は当時あったかもしれない。だがそれは個人サイト全盛期だ。個人サイトというのは管理人さんの事情で突然消えてしまうことが少なくない。そうやってすばらしい作品の数々が、サイト閉鎖と共に永遠の闇へ葬られ、結果として「今、供給がない」状態に陥るのである。


 原作傾向にもよるが、語り継がれるような名作やシリーズものの場合、萌え萌えな二次創作はなくても深い考察にありつける場合が期待できる。考察は考察で、とっても楽しいものだ。

 なお、一部の絵描きさんは当時の絵をpixivにアップしてくださっている方もいる。

 ”あの時”の絵に再度巡り合えたなら、その幸福を神に感謝しよう。

 

 もちろん、当時から供給がない場合もある。


※2 男性向けエロゲの場合

 そもそも男性向けのゲームなので、女性のプレイヤーは少ない。エロゲをプレイするオタク女はいるにはいるが、そこまで多いわけではない。そして女性がそのゲームをプレイしていたとしても、彼女は腐女子ではないかもしれない。

 そういわけで二次創作の供給には全く期待できないジャンル。しかし一部のエロゲには立ち絵のある男性が2人以上登場することがある。

 その場合腐女子はこう考える。

 さあ、どちらが攻めかな? 


※3 (一部超人気作品を除く)ラノベの場合

 あくまで、吾輩が現役のラノベ読みだった頃の話ではあるが。ラノベの二次創作って少なかった。その中でも吾輩は「下手すりゃ1巻、多くて5巻で完結しちゃうくらいの、コンパクトなラノベ」が好きだった。10数巻続いているようなご長寿かつキャラ立ちまくりなラノベでさえ漫画・アニメに比べりゃ二次創作が少ないのだ。そのような有象無象のラノベなど、言わずもなが、である。

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