2冊目 覇道の始まり

 どうも、吾輩です。

 王道の反対を覇道というらしいですね。

 王道ストーリーと王道な熱血キャラも好きですが、気付いたら茨道にいるんだよなぁ。

 

 今回は、タイトルの通り吾輩の腐女子としての覚醒秘話です。隠すものでもないけれど。とんでもなく長い自己紹介としてご覧ください。嫌なら飛ばしておくんなまし。

 

 そもそも初めての出会いがよくなかった。

 当時市立図書館の分館が、吾輩の通っていた小学校の傍に出来、本館からの取り寄せもできるということで分館はいつも読書好きの小学生であふれていた。

 ちょうどハリー・ポッターが流行っていたころ合いだと思う。児童向け雑誌で紹介されていたこともあり、吾輩も3巻くらいまでは読んだのだが、それ以降は予約予約でなかなか順番が回ってこず、結局ほかの、マイナーな海外児童文学に切り替えたのを覚えている。そんなこんなで吾輩は未だにハリポタのラストを知らない。

 

 話を戻そう。


 そのころ吾輩は4~5年生くらいで、短編集という形式ににどっぷりはまっていた。特にホラーだ。吾輩のホラー好きはそれほどまでに根が深い。

 で、その図書館分館には小さいながらも「アンソロジーコーナー」があり、そこからホラー短編集をよく借りていた。

 その日もホラー短編集を求めていた幼き日の吾輩は、一冊の小ぶりなハードカバーを手に取った。

 表紙は真っ黒、意味深なタイトル、紫色の装飾。

 

「これはホラー短編集に違いない」

 

 そう思って何の疑いもなく借りた。表紙買いならぬ表紙貸りである。


 その中身ががエロありグロありのやおい短編集(※)だと知ったのは読んでからであった。

 あの時出会っていなければ、吾輩は腐女子ではなかったのかもしれない。

 あるいは「なにこれきもちわるーい」でやめておけば……とは思うのだが、もうどうしようもない。

 

 そこからは、腐女子街道一直線である。

 いや、寄り道もしたけれど。

 後悔はしているが、満足もしている。


※ルビーアンソロジー「妖花」

 BLと耽美のあわいを読ませてくれる、素敵な短編集である。ただしすでに発行された作品の番外編を半分くらい含むため、これ1冊から無限の可能性が広がってしまうことを警告しておく。

 何分古い本なので、今からはまると関連作品集めに悲鳴を上げる羽目になること請け合い。

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