13 夜更かし

 最近、夜更かしをすると暫く生活を戻せない病気に罹っている。いや、そんな病気あるなんて知らないのだが、夜、パタリと眠ることが出来ないのだ。


 ちらりと、夜更かしをするのは、昼のうちに満足感を得られず、好きな事などで取り戻そうとした結果眠ることを保留してしまうからだ、というような内容の文を見た。なるほど確かに。納得である。


 ではどうすれば昼のうちに満足感を得られるのだろうか?…正直働いているうちは不可能に近いと思った。中には仕事で達成感を得られている人がいることも事実で、良いサイクルに乗って仕事も出来る素晴らしい方々が社会を回していると思う。ただ、自分はそういった価値観を嫌悪している。嫉妬なのだ。わかっている。でも出来ない自分でも愛したい故に、そういった生き方を否定している。


 バイトなり、正社員なり、人と関わり合いながら社会にスッと身を置けている人は本当にすごいと思うのだ。これこそ現代社会で一番欲されているスキルだし、面接でもそれがあるかどうか見極めようとしているのだろうと推察する。でも、学生にとって面接というのは、悪く言えば、『5日6日行って無難に業務こなせばお金もらえる所で一番合っている所探し』なのだ。長いな。話をもどして…人というもの、いくらでも外側を取り繕う。じゃなきゃ、リクルートナビや面接講習なんてビジネスが発生しないだろう。自分にだけ正直で、周りには嘘で塗り固めているのだ。人間なんてそういうもんだと、思っている。もちろん何も信じていない訳ではない。ある部分で誰にも知られたくない事柄ってもの、あるんじゃない?ってことだ。それがコミュ障だと大変だったりするものだ。社会ってコミュニケーションで成り立ってるところがあるから。他人に対して寛容であることも求められるから。


 僕はどちらも逆である。他人に対しても自分を曲げられたくないせいで言い合いになるし、コミュニケーションも忌避する結果ストレスばかり募った。今はそこから離れているが、戻れるかと言われるとわからない。でも金がないとなぁと、少し困っているところで、また夜更かしをしてしまうのだ。仕事をしていてもしていなくても、今に満足していない、そんな自分が横たわっている。


 

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